このコーナーでは、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業や、商業者の新たな取り組み、アントレプレナー(起業家)の挑戦などを紹介します。

花fe香fe  去る3月25日、角館町にハーブティーを中心に提供するカフェ「花fe香fe(カフェカフェ)」がオープンした。当店は、紺色の屋根に黄色の外壁、レンガ作り風な外観で可愛らしい洋館調となっている。店内は、木のテーブル・イスの席とソファの席などが混在し、鉢植えの花々が店内を飾っている。室内灯は白熱灯で、柔らかい雰囲気を醸し出している。花に囲まれながらお茶を飲み、席に着けばすぐにリラックスできるような空間となっている。
花fe香fe  当店のメニューには9種類のブレンドハーブティーがあり、無農薬有機栽培の国産ハーブを用いたそれぞれの特性に合わせたネーミングで提供している。人気のあるブレンドは、美肌ブレンドと癒し系ブレンドだそうだ。その他にも厳選されたコーヒーと紅茶、ジュース等用意されている。また、ケーキやパンなどは青木さん手作りの身体に優しいものを提供している。
花fe香fe 花fe香fe  代表である青木さんは以前、ハーブを扱う会社に所属していた。当時は「いつかは和める場所を提供するカフェを持ちたい」と漠然と思うだけであったが、昨年夏の起業セミナーを気軽に受講した後、トントン拍子で話しが進み開業となった。しかし、実際は「自分でも、十年後くらいに開業出来たらと思っていたので、寸前まで非常に悩んでいました」と青木さんは話す。しかし、「あの時やっておけば..」と後悔するよりもやって失敗した方が得るものがあると一念発起し、開業に漕ぎついた。
花fe香fe MAP  今後は、ハーブティーやその他手づくり教室も開催する予定だが、当店の場を提供し、様々な人にもイベントで利用してもらいたいとも考えているとのこと。様々な人が集まり、楽しみ、和んでくれるような場を提供する「花fe香fe」。角館町を訪れた際には、是非ここを訪れることをお奨めする。しかし、あまり和んで仕事を忘れないように注意が必要かも知れない。

アロー秋田  アロー秋田は、手作り自転車メーカー、アロー・トレイディングのフランチャイズ1号店として平成15年にオープンした。
 アローの自転車の特徴は、まずそのスリムなボディーである。洗練されたシンプルなデザインは、乗り手と時代を選ぶことはない。また、高品質の国内製部品を使用しているほか、欧米で主流のフット・ブレーキ(ペダルを逆回転させ止める)の採用により、確かなグリッピングを実現している。「初めての方は大体とまどいます。けれども、一度乗ってコツをつかめばとても快適。もちろん、心配な方にはオプションでハンド・ブレーキも用意しています。」とのことだ。
アロー秋田  そして、乗り心地の良さにも驚かされる。その秘密は、すべての部品を熟練した職人が一つひとつ丁寧に手作りで製作していることにある。まさに乗り手のことを一番に考えた一生モノと呼べる一品である。
 当社を経営する佐々木さんは28歳。若いが、自転車に対する想いは人一倍。「何事にもスピードが求められる社会の中で、スローな日常・感情で活動するライフスタイルの一つがアローの自転車であればうれしい」と語る。
 店内には、アローの代表的モデル「ヤマジン」などがディスプレイされており、試乗もさせてくれる。実際の購入は、基本となるボディーフレーム、ボディーカラー、ハンドル形をオーダーし、必要なオプションを選択する。価格は大人用で55,000円〜60,000円、子供用で30,000円と決して安くはないが、期待を裏切ることのない出来に満足の声が寄せられている。
アロー秋田 MAP 特に、子供用はプレゼントとしてもよろこばれ、子供と一緒に組立までも行う顧客もいるという。このほか当店では、自転車の廃材を利用したアイテムなども扱っている。
 スリムで軽量なボディーの中に、乗り手を想う気持ちがこもった自転車に、あなたも一度逢いに行ってはいかがだろうか。

秋田ディスプレイ協同組合  秋田ディスプレイ協同組合は、県内ディスプレイ業界の受注の落ち込みや技術力の停滞などを危惧した県内ディスプレイ企業5社で、平成17年2月18日にスタートした。
 そもそも「ディスプレイ業」とは、展示、陳列という「ディスプレイ」の持つ本来的な意味から派生して、「主題を空間に演出する伝達技術」と定義づけられるが、同組合ではこれに加えて、イベントのプランニングから施工・運営まで一貫体制による総合プロデュースと位置づけている。
 組合が担う主要業務の一つは、「共同受注」。組合に参加する5つの企業が、それぞれ音響・舞台・映像など得意分野を持ち寄って、受注業務を、それぞれ得意とする企業に振り分けるシステムを構築している。「従来は1個の企業ではできないものがあった。このシステムは、言ってみれば苦手分野の相互補完。これで技術では中央大手企業にも負けないものとなった。」と代表理事の成田清氏は語る。さらに、専務理事の三浦陽悦氏は、「企業の強みを持ち寄ることによって、他の企業の技術向上に繋がるという相乗効果があり、非常にありがたいこと。」と付け加える。
秋田ディスプレイ協同組合  設立が今年2月とまだ日が浅いため、大きな受注実績はまだなく、積極的に県内官公庁を中心に営業活動を行い、その知名度を上げることに重点を置いている。「とにかくソフト面からハード面まで一貫したイベントプロデュースを行うオンリーワンの業界の形として、認知度を高め、ディスプレイ業界の社会的地位を高めることが現時点での我々のなすべきこと。」とは、理事の宮腰寿氏。
 「私ども秋田ディスプレイ協同組合は、将来の大型プロジェクト等の一括受注を見据え、顧客満足度を高める技術のさらなる向上を図りながら、当組合の認知度の向上に努力して参ります。」と同組合立ち上げの際に成田氏が挨拶で述べているように、まずは足元から、県内での実績を確実に増やし、いずれは県外業務や大型プロジェクトを受注しようとの意気込みだ。

たまごの樹  昨年11月、秋田市河辺に卵専門店「たまごの樹」がオープンした。養鶏業を営む店主の瀧田さんが生産する産みたての卵「もみじ」(10個入:300円)・「さくら」(10個入:260円)はもちろん、濃厚な味わいのカスタードクリームを使ったシュークリーム(1個120円)、プリン(1個150円)などが特に人気。来店客が後を絶たず、お昼までに完売する品もあるという。
たまごの樹  瀧田さんが卵の直売を始めたのには3つの理由がある。まず、既存の流通システムでは難しい、“産んでから24時間以内の一番美味しい卵を消費者に提供する”を実現させたかったから。24時間を過ぎた卵はお菓子の原材料として使い、即日販売するという徹底ぶりだ。
 また“安全な卵”を提供したかったというのも理由のひとつで、そのために飼料にもこだわる。非遺伝子組み換えのトウモロコシ、大豆、生臭さを解消するヨモギや木酢、滋養強壮に効くニンニク、血行を促進する唐がらし、ポリフェノールの摂取にブドウの種など、天然の体に良いものを鶏に与え、健康に育てて安全な卵を産んでもらっている。
たまごの樹  また、消費者と“直接対話”したかったというのも大きな理由。ニーズを把握できるだけでなく、卵に関する疑問や質問に答えたり情報を発信することで、農業や養鶏に対する正しい理解を持ってもらうことができる。当店では、顧客の声を拾うためアンケートを実施しており、一つひとつの疑問・質問等に対する回答を掲示板に貼っている。
たまごの樹 MAP  瀧田さん自慢の卵で食べる卵かけご飯は絶品。生卵がダメだという人にも是非お勧めしたい。病み付きになること請け合いだ。また、当店では今後、パウンドケーキやカステラなどを販売する予定。濃厚なたまごの味がする新しいお菓子に出会えるのが今から楽しみだ。