このコーナーでは、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業や、商業者の新たな取り組み、アントレプレナー(起業家)の挑戦などを紹介します。

株式会社くまがい卵油研究所  北秋田市(旧鷹巣町)の卵油メーカーくまがい卵油が建設した会員向け無料宿泊所が、田舎を体験してみたいという都会人に好評だ。宿泊所の玄関前にはハーブが植えられ、自然に浸りたいという都会人をやさしく迎えてくれる。
 また、建物周辺にも約300坪ほどのハーブ畑があり、ラベンダー、タイム、バジルなどお馴染みハーブのほか普段聴きなれない種類のハーブも見ることができる。20坪ほどの建物は秋田杉の間伐材を使用した角ログハウスで、キッチン、風呂、洗面所、冷蔵庫からベッドまで生活用品はひと通り揃っている。食事は自炊か外食となるが、自炊用のなべや食器類も全て無料で提供しているほか、近くの大館能代空港や鷹巣駅まで送迎もしてくれるという。 株式会社くまがい卵油研究所
 無料宿泊所は、創立15周年を記念して2年ほど前に建設したもので、同社の卵油愛用者(会員)に対し感謝の気持ちを形にしたいという思いを込めている。熊谷さんは、「ここは大館能代空港から車で15分、男鹿半島や十和田、田沢湖などの観光地まで約1時間30分という恵まれた場所。木の香漂うハウスでのんびりするも良し、観光地巡りをするも良し、とにかく田舎を自然を満喫して欲しい。」と会員に呼びかけている。
株式会社くまがい卵油研究所  当社の卵油は、放し飼いの比内地鶏の卵黄を使用し、時間をかけじっくりエキスを抽出するフライパン手づくり製法にこだわって作られる。最近は無臭にんにくエキスを配合した「無臭にんにく卵油」(写真)が好評なほか、比内地鶏卵と烏骨鶏卵を使用したマヨネーズの商品化や豆乳ドレッシングなど新しい商品開発にもチャレンジしており、新分野進出にも意欲的だ。「卵油を始めて17年。近年の健康ブームで様々な健康食品が世に出される激しい競争の中でここまで来れたのは、利用いただいている皆さんのお陰、お客様の声や励ましが自分の力になる。」という熊谷さんは、今後はグリーンツーリズムも視野に入れた新たな事業展開に思いを巡らせながら卵油づくりに取り組んでいる。

合資会社六郷製パン  古くから清水の郷として知られている美郷町六郷。その町に、新しく開発した自家製酵母を使ったパン作りに励んでいる六郷製パンがある。この新しい酵母は、長年受け継いでいる酵母にサッカロミセス・エド(通称:江戸酵母)と茶の乳酸(プランタリウム)を加えることで誕生したオリジナル酵母で、2000年に誕生したことこら「2000ts」と命名された。
合資会社六郷製パン  同社では、2000ts酵母を使用したパンを数多く製造しており、その中のひとつが今回紹介する熟成ケーキパンである。熟成ケーキパンは、ブルーベリーやラ・フランス、白桃などをフィリングした全8種類。人気の秘密はその食感。パン生地のきめが非常に細かいため保水性に優れ、独特の食感を実現している。しかし秘密はそれだけではない。一般的なパンの水分含有量が30〜40%であるのに対し、熟成ケーキパンは15%未満と少なく、また、お茶の乳酸の働きにより生地内のpHが下がり高酸性となるため抗菌作用も強く、常温で20日という長期保存が可能となっていることだ。「2000ts酵母で焼成したパンは熟成が進みますので、買ってから10日後ぐらいが一番おいしく召し上がっていただけます。」と、その名のとおり“熟成”されたケーキをほうふつさせる。
 さらに、工場内の敷地内から汲み上げている伏流水を使用することにより、おいしさだけだはなく安全・安心も兼ね備えている。「パンの原材料はどこの会社も基本的には同じ。しかし、それぞれの材料の組み合わせは無限大。だから簡単にはいかない。」と高橋さんはパン作りの難しさを語った。
合資会社六郷製パン  同社では熟成ケーキパンのほかに、2000ts酵母を使った冷凍パンも販売している。製造後急速冷凍されたパンを電子レンジで加熱することにより、いつでも窯だしの瞬間を味わうことができるのが魅力だ。このほか2000ts酵母を使ったおこげ風味のラスクなど、アイデアあふれる商品が店内ところ狭しと並んでいる。「頭の中は新しいパンのことでいっぱい。」という高橋さん。県外のリピーターも多く、今後は県外企業等と技術提携を行い、活動の幅をさらに広げていく計画もあるという。清水の郷を訪れた際には、おいしさと安心がフィリングされたパンをぜひ一度食してみてはいかがだろうか。

有限会社樹海の杜本舗  「きれいに透き通った醤油スープは、ショウガの香りが効いてとても上品」、「レトルトのタケノコの歯ごたえがたまらない」と全国の即席麺ファンの間で隠れた評判となっているのが、平成10年創業の大館市を本拠地とする有限会社樹海の杜本舗が製造する比内地鶏らうめんである。このほか、カップきりたんぽ、比内地鶏薫製卵、比内地鶏つくね団子などの商品化に成功し、次代のヒット商品として評価が高い。
 最も販売量が多いのは比内地鶏らうめんで、月平均およそ2万個。うち80%がインターネット注文やおみやげ店から販売されている県外購入者向けだという。他の商品も含めて販売量に生産ラインが追いつかず、半年前にラインを1基増設し、レトルト製造部門と容器包装部門を完全分離した。
有限会社樹海の杜本舗  そもそも、なぜ山本社長が比内地鶏で商売をしようと思ったのかといえば、比内地鶏を取り扱う会社に勤めていた頃、新しい販路や新商品のアイデアを提案した実績が認められ、ある日「秋田三鶏保存会」という団体の代表者から、「独立して、若い力で地場産業を活性化してみたら」という言葉をいただいたからだという。「もともと、比内地鶏文化を保存し、次世代に継承していかなければならないと考えていたこともあり、思い切って話しに乗った。」とのこと。
 「やるのであれば失敗を恐れず、思い切ったことをやってやろう」と、会社立ち上げの段階から比内地鶏スープを使ったカップ麺を製造し、それが成功したら、カップきりたんぽを作ろうと構想していたという。カップ麺の方は順調に商品化に至ったが、カップきりたんぽは、試作段階で、具材のレトルト化の際に変色したり、味そのものも満足できる結果が得られず、秋田県総合食品研究所に何回も足を運んで研究を重ねたそうだ。
有限会社樹海の杜本舗  山本社長は、現在のおみやげ屋中心の市場から、スーパー等県内外一般消費者向けの商売ができるようにしたいと語る。「現在300円近い比内地鶏らうめんを改良して180円程度にできたらスーパーで勝負ができる。試作品も完成済み。カップきりたんぽについてもまだまだ改良の余地がある。」と、今後の戦略の方向も定まっている。
 北東北3県商工会の合同連絡会で、青森産のほたて、岩手産のわかめと比内地鶏スープを使った「Aカップラーメン」を企画したアイデアマン。
 今後も若さと思い切りの良さで新しい商品を開発し、比内地鶏の素晴らしさを全国に知らしめて欲しいものだ。

Aussie Stays(オージーステイズ)  今年6月、秋田市手形に「オーストラリア・パース」滞在をサポートする事務所『オージーステイズ』が誕生した。当社が「パース」にこだわるのは、代表・美穂さんの夫・スティーヴさんの出身地であり、二人が「地球上で最も美しい街のひとつ」と信じるパースを世界中の人に紹介したいからだ。
 当社では、ホームステイや語学留学をはじめ、ビジネスで長期滞在する人やシニアの間で最近人気が高まっている、家具一式が揃うコンドミニアムで生活するロングステイ、現地でのアクティビティー等、顧客の要望に応じてコースアレンジをする。
Aussie Stays(オージーステイズ)  ホームステイ先は、スティーヴさんの知人を通じて厳選して紹介しているため、トラブルの心配がない。また、コンドミニアムはスティーヴさんが現地に赴いて納得のいく物件を契約している。いずれも日本人の現地スタッフがサポートをするため、初めての滞在でも安心だ。当社の強みは窓口のスティーヴさんが現地を知り尽くしていること。「夫婦二人の小さな事務所だからこそ、“家族を送り出す気持ち”で皆様が安全に楽しく過ごせるよう最善を尽くしています。」と美穂さんは言う。
Aussie Stays(オージーステイズ)  スティーヴさんは英会話教室を主宰する傍ら中学校の英語講師も務めており、実は開業前から、勤務先の中学生をパースのホームステイに引率したり、大学生をスタディステイに送り出したりした実績を持つ。帰国後、誰もがパースでの素晴らしい体験について喜びの声を寄せており、これが開業への原動力になったという。
 青い海と美しい街並み、美味しい食べ物やフレンドリーな人々。素晴らしい街パースのことを生き生きと語る二人を見ていると、矢も盾もたまらず行ってみたくなる。年齢など関係ない。短期・長期を問わず、海外生活を体験してみたくなったら『オージーステイズ』にご相談を。自然も人も豊かで美しいパースで宝物のような思い出を作ってみては?
Aussie Stays(オージーステイズ) Aussie Stays(オージーステイズ)