特集1タイトル


 この調査は、秋田県、秋田県商工会議所連合会および秋田県商工会連合会が消費購買動向調査事業運営協議会を構成し、県内における消費者の買物先、消費性向及び消費者が求める商業機能等を把握し、行政機関、企業支援・指導機関等における地域商業振興施策推進のための資料にすることを目的としています。調査は毎回3年に1度、商業統計の翌年に実施してきており、平成13年度はその調査年度にあたります。
 今回の調査は平成13年5月に行われ、この度その調査結果がまとまりましたので、本誌上で概略をご報告します。
調査は次の方法で行われました。

(1)調査の実施方法
 県内各市町村の中学校、134校の1年生(一部の中学校では、2年生、3年生も含みます)の保護者の方を対象に、「お買物アンケート」を配布し、回収した用紙を集計しています。今回の調査対象数は16,340人で、回答者総数は12,977人となっています(回収率79.4%)。
(2)調査地区
 県内69市町村を71地区(鹿角市は鹿角市商工会地区と十和田商工会地区、大館市は大館商工会議所地区と花矢商工会地区)に分割して実施、集計しています。

(3)調査の実施時期
平成13年5月。
実施機関 消費購買動向調査事業運営協議会

 なお、この調査についてのお問い合わせは、秋田県商工業振興課、秋田県企業支援センター、秋田県商工会議所連合会、秋田県商工会連合会もしくは、最寄りの商工会議所、商工会までお願いします。


平成13年度消費購買動向調査結果の概要

1.調査回答世帯の属性

(1)1世帯当たりの家族構成
 調査世帯数の平均家族数は5.3人で、前回(平成10年度)と同様となっています。市部の5.0人(前回調査4.9人)に対し、町村部は5.6人(前回調査と同じ)で、0.6人の格差がありました。
 家族数の構成比は、「4人以下」の29.4%(前回調査29.6%)が最も多く、次いで「6人」の26.8%(前回調査26.7%)となっています。

(2)回答者の年齢
 回答者(主に買物をする人で、93.9%が女性)の平均年齢は41.3歳で、前回調査より0.6歳高くなっています。市部の平均は41.4歳、町村部の平均は41.2歳で、前回調査より市部0.7歳、町村部0.5歳それぞれ高くなっています。年齢の構成比は「40歳代」の61.4%(前回調査55.7%)が最も高く、次いで「30歳代」の32.3%(前回調査38.1%)となっております。

(3)自動車の買物への利用状況
 自動車で買物する割合は97.1%にまで達しており、(前回調査95.6% 1.5p上昇)買物に自動車を利用する割合が100%となっている地区も16地区(前回調査4地区)見られます。マイカー通勤が増えた結果、勤務先周辺や通勤途上で買物する機会も増加している等、買物に行く手段としての自動車利用の高まりと、買物行動の広域化や地元購買率の低下とは、大いに関係しているものと考えられます。

2.商品2分類の消費購買動向

(1)地元購買率の状況
(最寄品:表―1、3、3 買回品:表―4、5、6)
 食料品や日用品など、買物頻度の高い最寄品(注1)の地元購買率については、全県71調査地区中、8割以上の59地区において前回調査より低下しています。マイナス22.1ポイントを筆頭に、13地区において10P以上の低下となっています。



 また、電気器具や洋服など、選択性向の強い買回品(注2)の地元購買率については、64地区において前回調査より低下しています。マイナス16.9Pを筆頭に、4地区において10P以上の低下となっています。

 地元購買率の低下は、消費者が居住地以外の市町村で買物する傾向を意味し、高速道路等道路交通網の整備や買物へ自家用車の通常的利用が一般化するなかで、大型店出店等による新たな郊外型商業集積形成が広域的に点在し、前回調査結果(最寄品57地区、買回品61地区で購買率が低下)と同様、買物行動の広域化や買物先の分散化傾向が進展しているといえます。地元購買率が前回調査より上昇したのは、最寄品においては11地区、買回品においては6地区のみでした。
 総じて、大型店や有力店の出店が見られる地区において、地元購買率の上昇が見られ、逆に、かつて地域の中心商業地であった地区において、地元購買率の低下が見られます。
(注1)最寄品:「生鮮食料品」「その他の食料品」「日用雑貨品」「下着・肌着」
(注2)買回品:「電気器具」「家具・インテリア」「薬・化粧品」「書籍・文具」「玩具」「洋品」「洋服」「寝具」「高級衣料」「くつ・はきもの」「時計・メガネ・カメラ」「かばん・袋物」「贈答品」

(2)買物先の状況(表―7、表―8)
 本県最大の商業集積地である秋田市(平成11年の商業統計調査によると、秋田市には県内小売業商店数の22.7%、売場面積の28.5%、年間商品販売額の32.8%が集中)への流入比率が、依然として高くなっています。購入割合の10%以上が秋田市へ流出した地区は、最寄品で12地区(前回調査13地区)、買回品で26地区(同27地区)となっています。
 秋田市以外でも、大館市、能代市、本荘市、大曲市、横手市等の都市部では、近隣町村からの集客力を強めており、消費者は、多少遠く時間がかかっても、商業集積度の高い地区で買物する傾向を見せています。



(3)店舗形態別購入割合の状況(表―9、表―10)
 他市町村へ買物に出掛ける割合の上昇とともに、大型店で買物する傾向も高まっています。大型店で最寄品を購入する割合は70.1%(前回調査65.0%、前回比+5.1ポイント)と高く、買回品においても55.2%(前回調査52.2%、前回比+3.0ポイント)に達しました。相対的に一般商店では、最寄品を購入する割合は9.4%(前回調査10.7%、前回比−1.3ポイント)、買回品では4.3%(前回調査5.0%、前回比−0.7ポイント)となっており、消費者の大型店指向が更に進んでいる結果となっています。
 大型店での購入割合の高さは、大型店の所在地のみならず、大型店のない地区でも同様、消費者は近隣の大型店に出掛けて買物を行っており、買物行動における広域化のひとつの表れと考えられます。


3.地元の商店・商店街に対する要望等

(1)地元の商店・商店街に対する要望
 地元の商店・商店街に欲しいサービスとしては、「新鮮なものを置いて欲しい」が最も高く、次いで、「品揃え、流行品を多くして欲しい」、「品質の良いものを置いて欲しい」と続いており、前回調査においても同様の結果が表れており、消費者は、品質や品揃えの良さを第一に考えていることが伺われます。

欲しいサービス 指摘割合 前回調査 前回比較
1 新鮮なものを置いて欲しい 61.6% (64.4% −2.8p)
2 品揃え、流行品を多くして欲しい 58.1% (57.7%  0.4p)
3 品質の良いものを置いて欲しい 53.0% (54.4%  −1.4p)
4 接客態度を良くして欲しい 41.3% (45.2% −3.9p)
5 閉店時刻を遅くして欲しい 33.0% (35.4% −2.4p)

(2)大型店の出店に対する意見
 大型店の出店に対する意見は、前回調査と同様の傾向が見られ、出店を歓迎する意見が半数近くになっています。

欲しい店 指摘割合 前回調査 前回比較
1 ファミリーレストラン 36.1% (37.6% −1.5p)
2 ディスカウントストア 31.6% (30.6%  1.0p)
3 実用衣料品店 31.3% (31.6% −0.3p)
4 喫茶店 26.4% (29.1% −2.7p)
5 書籍・文房具店 26.3% (26.6%  −0.3p)
欲しい施設 指摘割合 前回調査 前回比較
1 レジャー施設 46.9% (46.2%  0.7p)
2 買物広場・休憩所 29.0% (30.7% −1.7p)
3 映画館 25.2% (24.5% 0.7p)
4 駐車場 23.6% (26.5% −2.9p)
5 アスレチック 20.5% (20.5% 0.0p)

(2)大型店の出店に対する意見
 大型店の出店に対する意見は、前回調査と同様の傾向が見られ、出店を歓迎する意見が半数近くになっています。

大型店の出店に対する意見  指摘割合 前回調査
1 大型店の出店は、消費者に
とってプラスになり地域が活気づくので大いに歓迎する 
46.9%  −0.1ポイント
2 街の中心部がさびれることが
ないように、立地場所を制限して出店させるべきである
26.2% −0.1ポイント
3 どちらとも言えない
20.5% +1.3ポイント
4 地域に密着した商店を育成し、
個性豊かな街を目指すために、大型店の出店は望まない
6.4% −1.1ポイント