カスタマ・フォーカス掲げ顧客の信頼を確保

株式会社北都情報システムズ 代表取締役社長

  北嶋 末治 氏


 爆発的に普及するインターネット、これに伴う電子商取引(EC)の拡大、情報技術やネットワーク技術の進歩等により、今、ビジネスは大きく変わろうとしている。西暦2000年は、まさに新たな情報化時代の幕開けの年になるであろう。
 秋田市にある(株)北都情報システムズは、地方自治体を主要顧客に、着実に業績を伸ばしている情報サービス会社である。今月は、昨年7月に当社代表取締役社長に就任した北嶋末治氏に今後の戦略展開について話しを伺った。



この業界に入られたきっかけは……
北嶋
 私は高校を卒業して直ぐに羽後銀行(現北都銀行)に入社しました。以来一貫して、営業に当る渉外部門や融資部門を担当してきました。一昨年北都銀行を退職し、当社の専務取締役に就任しました。
 コンピュータに携わる仕事は今回が始めてで、業界用語に四苦八苦する毎日でした。
 しかし、銀行であろうとコンピュータ会社であろうと、経営の基本は同じだと思います。銀行で培ってきた堅実経営を基本に、新しいことにチャレンジする社風を作り上げることが私に課せられた重要な仕事と考えております。


御社の主要業務は………
北嶋
 当社は、昭和49年に富士通が45%を、羽後銀行グループが55%を出資してつくった会社です。歯科医院のレセプト作成や、受託計算処理を請け負う会社としてスタートしましたが、昭和51年からはコンピュータのデータ入力業務の受託を、57年頃からはコンピュータの販売とそれに伴うソフトウェアの開発を手掛けるようになりました。
 現在の年商はおよそ15億円、その構成は、アウトソーシング部門(受託業務)が40%、システム機器販売部門が40%、システム開発部門が20%となっております。また、顧客別では自治体関係が50%、民間企業関係が30%、銀行関係が20%です。


経営理念は………
北嶋
 当社の経営理念は、「経営の健全性を堅持し、地域社会の基盤を支えるとともに、カスタマ・フォーカスを貫き、お客様の信頼に必ず応える誠実さを持ち続ける」です。
 カスタマ・フォーカスとは、お客様の視点で物事を考える事です。この理念をモットーに、秋田県で最も信頼される情報サービス会社になりたいと考えております。


業界の動向は……
北嶋
 今、情報サービス業界は大きな転換期を迎えております。インターネットの普及によりEC(エレクトロニック・コマース:電子商取引)が急速に普及し、西暦2003年には一般消費者向けのEC市場は3.2兆円に、企業間に至っては68兆円に達すると言われており、インターネットを介した新しいビジネスが次々に生れております。
 またその一方では、企業や自治体がグループウェア等の最新の情報技術を利用して、自分達の業務を効率的に進めようとする動きも本格的になってきました。インターネット・ビジネスなど話題性のある情報化投資に眼を奪われがちですが、本来コンピュータが得意としてきた効率性の向上や管理水準の向上などの市場はまだまだ大きいものがあります。


今後取組んでいきたい事項は……
北嶋
 当社は、これまで自治体業務のシステム化に力を注いできました。その間、住民情報システムや財務会計、税申告、地図情報、水道料金等の管理システムを開発してきました。また、民間企業のお客様には、POSシステムや販売管理、在庫管理、原価管理、給与・会計等のシステムを開発しご提供してきました。
 そこで今後は、これまでに開発してきたこれらのシステムの汎用性を高め、パッケージ化を図って行きたいと考えております。パッケージ化とは市販ソフトを開発し販売することです。
磁気記録媒体管理ソフト「媒体守任Win ST Ver1.1」  当社は先般その第一弾として、「磁気記録媒体管理ソフト―媒体守任 Win ST Ver1.1」を発売しました。これは、MO(光磁気ディスク)やフロッピーディスク等の電子記録媒体を管理するソフトで、煩雑になりがちな磁気媒体の管理をサポートするために当社が開発し、お客様に非常に喜んでいただいたソフトです。
 また、もう一つの柱にしているのが、自治体へのグループウェアの営業です。グループウェアは業務の効率を進める極めて有効なツールです。当社はこれまでに、県内の多くの市町村にグループウェアを納めてきました。今後も、そこで蓄えたノウハウを武器に、積極的な営業を展開して行きたいと考えております。
 更に、アウトソーシングも時代の潮流になりつつあります。しかし、単にお客様の業務を請け負うだけでは、そのメリットも小さいものとなってしまいます。お客様の業務にコンサルティングを加味しながら、アウトソーシング業務に力を注いでいきたいと考えております。


御社の特徴は……
北嶋
 当社は、創業以来連続して黒字経営を続けており、そのことを大きな誇りにしております。この間当社は、積極的に人材育成に力を入れてきました。その甲斐もあり、現在社内に多くの情報処理技術者、有資格者を抱えることができました。
 当社の最大の特徴は、明確な方針を示せば、その方針を達成するために新たな発想で参画してくれる社員を確保していることです。
 私の仕事は、2年後、3年後に社員が飯の食える分野を探す事です。それはきっと、インターネットの分野であり、ECの分野になるでしょうが、常に採算性を念頭におきながら布石を打っていきたいと思います。


昨年当社は、5億円を投じて新社屋を完成させた。そのうちの約2億円はセキュリティー等の付帯設備に投資したという。人材やサービスだけでなくセキュリティ・安全対策でも秋田県ナンバーワンの企業を目指している。

経歴:
昭和11年生れ、能代市出身
能代高等学校卒業後羽後銀行(現北都銀行)に入社、渉外、融資部門を担当し常務取締役を歴任。
平成10年7月北都情報システムズ(株)専務取締役
平成11年7月代表取締役社長に就任
株式会社 北都情報システムズ
 〒010-0951 秋田市山王三丁目4番23号
 電話:018-883-0200 FAX:018-883-0210

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