秋田県表面処理技術研究会の紹介

[設立の経緯、及び概要]

 本研究会は、主にめっきを主体とした表面処理関連企業の発展を目的に昭和60年1月に発足しました。早いもので今年の1月でちょうど21年経過したことになります。
 設立のきっかけは、講演会等を開催する際の講師の謝金や旅費を捻出するため、何か会を設立しようとしたことですが、当時「秋田県のめっきは弱い」と言われており、これを払拭するために、業界一丸となった技術力向上、人材育成の機運が高まっていました。この意味でも当研究会の設立は、自然の成り行きであったと記憶しております。
 現在の会員数は正会員(主に専業めっき企業)6企業、準会員(主に社内めっき企業)5企業、賛助会員(めっき関連の薬品・材料・設備等を販売・製造する企業)14企業、これに特別会員として、秋田大学と事務局の秋田県産業技術総合研究センター・工業技術センターを加えた合計27者で、産学官が一体となった組織体制となっています。
[事業内容]
 活動内容は、大きく分けて情報収集、技能検定用準備講習会の実施、人材育成、親睦主体の事業になります。
 情報収集活動では、4月〜6月に都内で開催される展示会の見学を兼ね県外企業視察を行っております。昨年度はSURTECH(総合表面技術博覧会)、および千葉県のめっき企業を視察しました。今まで、北は山形県から南は兵庫県まで34のめっき企業、4研究所等の視察を行いました。また、研究会設立10周年(平成6年10月)、および設立20周年(平成16年11月)には、それぞれ中国の大連、および上海の企業視察を行っています。最近の中国めっき企業の技術レベル向上は目を見張るものがあり、中国の台頭を肌で感じ得たことは大きな収穫でした。
 情報収集活動の目玉のひとつとして、技術講演会を開催しています。会員企業からの要望、タイムリーな話題について、16年度は表面技術協会会長の高谷先生(千葉工業大学教授、大館市出身)に、17年度は独立行政法人産業技術総合研究所の澤口氏(小坂町出身)に講演していただき、最先端の技術を紹介いただきました。

秋田県表面処理技術研究会 会長  若泉 孝治

秋田県表面処理技術研究会 会長
若泉 孝治
(東電化工業株式会社 代表取締役社長)
 技能検定電気めっき実技試験は、秋田県産総研センター・工業技術センター上席研究員 橋昇氏が主体となって、昭和62から県内で受験が可能になりました。そのため、当研究会では、6月〜7月にかけて技能検定用準備講習会を行っております。近隣の青森県、岩手県、山形県からの受講者もおり、毎年20数名の受講者が参加しています。
 人材育成活動については、6月には若手従業員による県内優良企業の視察、1月には会員企業で開発した技術・改善事例などの研究発表会、また、技術者のレベルアップを目指した技術研修会を開催しております。
 親睦主体の活動は、経営者を対象とした情報交換会(親睦ゴルフ大会を含む)、若手従業員のボウリング大会など、和気あいあいと活動しております。
[支援体制]
 当研究会の顧問には、歴代、秋田大学教授に就任いただいており、既に退官された松永名誉教授には昭和63年から平成14年まで就任いただき、その後、工学資源学部 原教授が就任され、講演・アドバイスなど当研究会へ指導・助言をいただいております。
 また、秋田県産総研センター・工業技術センターには、事務局として当研究会の運営に尽力いただいております。
 会員数13からスタートした当研究会も、今では27になるなど大きく発展しており、平成16年10月7日には設立20周年記念祝賀会(写真参照)を盛大に開催することができました。これも皆様のご支援のたまものと思っております。これからも、表面処理業界発展のために本研究会は活発に活動していきたいと思います。
 最後に、表面処理に関しての相談、当研究会への入会を希望される方は、ぜひ、ご連絡ください。