横手市自動車産業研究会は、去る平成18年6月に設立総会を開催し、発足いたしました。横手市は1次産業である農業が基幹産業であり、豊富な農産物に支えられている地域でありますが、近年は農産物の価格低迷や来年からの大幅な制度改革等により非常に厳しい状況となっております。また、当地では、ものづくりにおける産業育成が十分に行われていなかったのが実情であります。そのような地域ではありますが、県内では随一の自動車関連産業の集積を誇っている地域でもあります。新聞等でも話題となっておりますが、国内の製造業、中でも自動車関連産業は現在非常に好調で、九州等では自動車メーカーによる設備投資が盛んに行われております。横手から高速で1時間弱の距離にある岩手県でも、自動車の組立工場が増産体制に入り、東北地方全体への波及効果が期待されております。現在の経済情勢を踏まえ、横手の地域性や地理的・技術的特徴を活かし、これからのものづくり産業の発展のきっかけとなればと考え、研究会を設立するに至りました。
当然ながら、主要工場と距離が近いだけで受注が増えるわけではなく、課題は山積しております。皆様ご存知のとおり、自動車関連産業は価格競争・在庫管理等が非常に厳しい業界であるため、他にひけをとならいモノをつくるための意識改善が必要であり、そのための企業・人材の育成が不可欠であります。また、設備投資に莫大な費用がかかるため、受注競争への参入が難しいことや、当地にものづくりのための研究機関がなく産学官連携がしにくい状況にあるなど、解決すべき課題はたくさんあります。これらを解決するため、研究会は、製造業のみならず運送業・金融機関及び行政・研究機関の会員で構成しております。受発注に関すること、雇用・物流に関すること、そして教育・支援制度に関することについて、それぞれの会員が研究することにより、産業集積・発展につなげたいと考えております。
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