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いにしえから22世紀へ向かって 秋田県21世紀エレクトロニクス応用研究会

 21世紀に入り3年目の2003年7月、「秋田県21世紀エレクトロニクス応用研究会」は、県内企業の持つ既存の技術の活用や抱える問題の解決、そして技術情報の交換を通して新しいエレクトロニクス応用技術を秋田から生み出すことを目的として発足しました。特に、高周波・通信・EMC(電磁ノイズ対策)などの技術が県内企業に根付くことを目指し、企業・大学・公的研究施設間の情報交換と研究・技術の成果移転により会員個々の技術力の向上、および新企画の製品開発などに取り組んでいます。2006年8月時点で、すでに25回の研究会を開催してきました。

 古来、秋田は様々なネットワークの重要な拠点を占めてきました。1200年以上前には出羽の柵が置かれ、国家制度を支える要衝でもありましたし、室町から江戸時代は北前船による物流の要港として認められていました。現代では、大潟村にあるNHKラジオ第2放送の500kW送信所は全国に数箇所しかない大出力送信所の一つとして東北一円をカバーしており、放送ネットワークの核の一つです。また、近年の危うい国際情勢にも関連しますが、自衛隊のレーダーサイトが設置されているなど、秋田は日本の無線システムにとっても重要な地理的位置を占めています。

エレクトロニクス応用研究会

秋田県21世紀エレクトロニクス応用研究会 会長 井上 浩

秋田県21世紀エレクトロニクス応用研究会 会長
(秋田大学工学資源学部 教授)

井上 浩

 また、秋田は人々の往来も盛んでありました。日本を代表する発明家の一人である平賀源内の滞在時には、「エレキテル」のデモンストレーションの記録も見られます。大館市花岡出身の鳥潟右一博士は、鉱石検波器を始めとする無線電話の発明・開発者であり、日本の無線通信技術の発展に大きな足跡を残されました。現代の秋田においても、本会会員をはじめ、様々な企業・機関・人々が特色ある技術活動を行っています。

 「秋田県21世紀エレクトロニクス応用研究会」と名づけた研究会の改称が必要になる22世紀まで、94年の猶予があります。由緒ある土地柄である秋田のエレクトロニクス産業にとって、微力ながら本研究会が力になれるよう努力を続けたいと思っています。

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事務局
秋田県産業技術総合研究センター
高度技術研究所 先端技術開発グループ
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