タイトル-ビジネスレーダー このコーナーでは、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業や、商業者の新たな取り組み、アントレプレナー(起業家)の挑戦などを紹介します。
愛和商事 株式会社
愛和商事 株式会社  由利本荘市石脇にある愛和商事株式会社は、昭和42年の創業以来、灯油販売、ストーブ・ボイラー・風呂釜の修繕、水まわり製品(システムキッチン・システムバス・トイレ等)の販売・施行と、由利本荘地域を中心にサービスを提供してきた。大きな会社ではないからこそ、「販売から施行まで一人の担当者が対応してくれる安心感」が強みである。売り上げの約8割を占める水まわり製品の販売・施行を主軸に、一件ずつ堅実に顧客と向き合ってきた。
 今から10年ほど前、高度経済成長期以降建てられた住宅が、一気にリフォームを必要とする時期を迎えた。全国展開を始める企業も増え、競争が激しくなることが予想されたそうだ。渡辺専務は、「事務の仕事を任されて現場に出られない自分でも、お客様や地域のためにできることはないだろうか。製品やサービスを充実させることはもちろんだが、それだけでは他社と変わらない。もっと独自の、心の繋がりを大切にした取組ができないだろうか」と考えたそうだ。そんなとき、以前から興味のあったカラーコーディネートの教室を開いている人との出会いがヒントになった。「これかもしれない」。そう感じた渡辺専務は、カラーコーディネータの資格を取得し、その魅力を地域の人たちに伝えることにチャレンジし始めた。
愛和商事 株式会社  今から7年前、色彩心理や生活の中での色の活かし方を学べる「インテリアカラーレッスン教室」を開始。その後、「ケアリフォームセミナー」、「キッチン講座」、「カラーセラピー講座」、「ガーデニング講座」等、内容を充実させてきた。教室やセミナーは毎年定期的に行われ、本業で付き合いのあるメーカーから協力を得て、専門の講師を招くこともある。どの教室も好評を博し、年々参加者が増え現在の会員数は約680名。「ケアリフォームセミナー」は、毎回120〜160名もの参加者が集まるという盛況振りである。
 「教室を始めるとき、実父である社長から出された条件が、『商売っ気無しでやること、お役に立つことだけを考えてやること』でした。教室では営業は一切しません。それでも、参加してくれた方から自然にリフォーム等の相談を戴くようになりました。『楽しかった』、『来て良かった』、『ありがとう』。そんな言葉を戴くのが嬉しくて楽しくて続けているうちに7年経ちましたが、この頃やっと、『お役に立つこと、喜んでいただけることが第一』という父の言葉を実感できるようになりました」。教室を通して信頼関係を築いてきたことが、本業にも大きな効果をもたらしているのだ。
 地域に貢献したい、人の役に立ちたい、そんな純粋な思いを原動力に顧客の和を大きく育てた愛和商事。今後も地域に元気を、人に笑顔をもたらしてくれそうだ。
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