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燃料電池に関連した産業を県内に、新しい分野への挑戦!

 秋田県燃料電池関連産業導入促進協議会は、燃料電池・水素エネルギー産業の健全な発展に貢献し、県内における関連産業の創出及び立地促進を図るため、平成17年12月に、県内及び県外の企業、研究機関も参画し、産学官連携の協議会として発足しました。

 「燃料電池」という言葉は、最近メディアで取り上げられない日は無いくらいですので、ほとんどの方が聞いたことのあるのではないでしょうか。燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気と熱を発生させ、排出するのは水だけという究極のエコエネルギーシステムです。化学反応で直接電気を作り出すことができるため、従来の発電システムに比べエネルギー効率が高いシステムと言われています。また、自動車や携帯電話、家庭用コージェネレーションシステムとして幅広い分野での導入が期待されています。そして、燃料となる水素は、従来の化石燃料だけでなく、アルコールや水からも製造できることから、エネルギーセキュリティーの観点からも実用化が期待されています。

秋田県燃料電池関連産業導入促進協議会 会長 (秋田県立大学 理事・副学長)新岡 嵩

秋田県燃料電池関連産業導入促進協議会 会長 (秋田県立大学 理事・副学長)
新岡 嵩

 燃料電池産業は、化学、機械、エネルギーなどを有機的に結合させた総合産業であり、実用化に向けた取り組みがスタートしたばかりで、これからの普及が期待される機器の分野です。新規参入する余地は多く、未だ分野別トップになれる可能性を秘めています。

 燃料電池は先端技術の固まりという印象があるかもしれませんが、細かく見てみると配管やバルブなどの周辺機器は、今までの機器の概念を超えるものではありません。新しい技術を活かすために、より高い精度は求められますが、それらを打開するのは、画期的なブレイクスルーが必要とされるような研究開発ではなく、これまで蓄積された技術だと考えられています。国も燃料電池メーカーも、燃料電池の周辺機器のコストダウンには中小企業の技術力が不可欠と考えており、これまで、関係者以外には秘密にされていた周辺機器の仕様を積極的に公開、共通化し、低コスト化に向け、全国の中小企業と連携した取り組みを進めています。秋田には精密機器産業が集積していますし、技術もあります。後は異分野への一歩を踏み出す勇気があれば、燃料電池関連産業の中軸企業となれる可能性があります。

 燃料となる水素の分野についても、これまで蓄積されたインフラや技術、そして豊富にある再生可能な自然エネルギーを活用した取り組みが可能であると考えます。電気は貯蔵が難しいエネルギーですが、水素は電気より簡単に貯蔵することができます。再生可能エネルギーで発電した電気や余剰電力で水を分解し、水素を作り、貯蔵することが可能です。貯めることができれば、タンクやパイプラインなど様々な形態で供給することが可能になります。

 また、秋田の得意分野であるリサイクル分野での参入も考えられます。燃料電池には白金等の貴金属類が多く使用されており、リサイクルは不可欠な要素となっています。県内には、北部エコタウンエリアを中心にリサイクル産業が集積しており、その技術の応用が可能であると考えています。実際に、この分野では既にメーカーと県内研究機関との連携が始まっています。

 環境に配慮した次世代エネルギーシステムである燃料電池は、環境保全という観点からも、これからの秋田にマッチする産業と考えています。秋田には、素晴らしい自然環境が残っています、優秀な技術力を持った企業があります、日本の経済成長を支えてきた貴重な国産天然ガス・石油を産出するとともに、再生可能な自然エネルギーにも恵まれ、風力発電は国内3番目の規模を誇るなど、豊富なエネルギーがあります。

 本協議会では、県内で燃料電池関連分野へのチャレンジャーとなれる企業を創出、支援するために、国、関係機関、メーカーと連携を密にし、会員の皆様へ様々な情報提供、働きかけを行っています。ご興味を持たれた方はお気軽に事務局までお問い合わせください。

事務局
秋田県産業経済労働部資源エネルギー課
 調整・エネルギー班 担当:山上
TEL:018-860-2281 FAX:018-860-3814
E-Mail:shigenenerugiika@pref.akita.lg.jp