ITコラム

彼を知り己を知れば百戦 危うからず

 苦情やクレームの情報は宝の山とも言われています。反面一歩対応を誤ると、企業・団体の存亡をも左右しかねない大事な事です。皆さんの会社では、きちんと活用されていますか。今回は、介護福祉施設を例にとってポイントをお話ししてみたいと思います。決して、製造業や他のサービス業に当てはまらないことではなく、「介護福祉施設というサービス」が今まであまり多く語られる事がなかったので、スポットを当ててみました。
 まず、満足度という事を一度おさらいをしておきたいと思います。ここでは、一般論としてではなく、介護サービスという観点から述べてみたいと思います。残念ながら、「車や旅行」などとは異なり、事前に何回も購買やサービスを受けるという経験をする事は滅多にありません。ということは、初めての利用に対して自分の期待した「サービス」などについて満足・不満足を感じて「クレームを述べる」という状況になります。提供する側にも、提供を受ける側にも基準が曖昧なのが現状です。

 

 IT活用としては、インシデント*(事故まで至らなかった小さなトラブル)管理に、エクセルを活用してみましょう。レポートも500件、1000件と集まると、分析して、情報の共有やサービスレベルの向上に効果があります。また、入所される個人の詳細を記した「アセスメント=フェースシート」に基づいた今後の計画書の作成や実施などにもITは活用されています。PDCAのサイクルを常に回すことがクレームの撲滅につながります。

インシデント(incident):
事件・出来事・ハプニングの英語。情報分野では情報管理やシステム運用上の脅威となる現象を指すが、本稿では医療・介護現場での「事故まで至らなかった小さなトラブル」という意味で使っている。

 

グループホームの第三者評価のホームページ
(独)福祉医療機構より

 


(2008年7月 vol.324)
 
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