特集2

あきた企業活性化センター地域力連携拠点「企業パワーアップ応援本部」始動

 経済産業省では、今年度の新規事業(予算額52億円)として、日本の強みである「つながり力」を更に強化し、経営力の向上や事業承継といった、中小企業が直面する課題にワンストップできめ細かな支援を行う「地域力の連携拠点」を公募し、この結果、全国で316機関が拠点として採択されました。
 東北経済産業局管内の東北6県では、48機関からの公募申請があり、この中で39機関が採択され、秋田県内では当センターのほかに「秋田県商工会連合会」「秋田商工会議所」「北秋田商工会」「秋田県中小企業団体中央会」「北都銀行」の5カ所が地域力連携拠点として採択されております。
 地域力連携拠点の事業は、平成20年5月30日に全国一斉にスタートし、当センターでも県庁第二庁舎1階の県民ホールに於いて、東北経済産業局産業部の安田浩司部長らを来賓にお迎えし開所式を行いました。

 地域力連携拠点事業では、これまでの中小企業支援スキームでは対応しきれなかった「様々な分野にまたがる経営課題」に対応するため、連携拠点と連携機関(パートナー)が一体となって課題解決を図るために設置された拠点を通じて、きめ細かな支援を行います。
 この事業の特徴は、連携事業を円滑に行うため、企業支援に関する豊富なノウハウと経験を併せ持った専門人材を「応援コーディネーター」として新たに配置していることで、当センターでは、阿部久吾氏と澤木康春氏の2名を応援コーディネーターとして配置しました。両名とも、中小企業診断士(阿部:商業部門、澤木:工業部門)の経験があり、個別企業診断や産地診断等の実績を有し、財務分析や経営マネジメント能力に長けています。応援コーディネーターは、他の中小企業支援機関等とのつながりを活かして、悩みを抱える中小企業や新しいことを始めたい中小企業等を積極的に見つけ出し、経営上の課題を正確、且つ、迅速に把握して課題解決に向けた戦略の立案を支援していくことになります。当センターが、指定したパートナー機関と連携し、高度・専門的な課題解決に対し必要に応じて専門家の派遣を行うほか、国や自治体の施策等も活用して支援を行っていきます。
 「地域力連携拠点の支援の流れ」は、次のとおりです。(図1)

図1:地域力連携拠点の支援の流れ

 また、当センターの「連携拠点の体制」は図2のとおりで、ここでは、当センターが「支援ネットワークのハブ機能を持つ地域力連携拠点」として位置付けられ、既存の支援機関や連携パートナー、あるいは、県内の他の連携拠点との連携のもと事業を推進していくことになります。(図2)
 
 あきた企業活性化センター地域力連携拠点「企業パワーアップ応援本部」は、図3のとおり、相談事業や専門家派遣事業、情報提供事業、調査・研究事業といった今回の連携拠点事業独自の事業を活用して、バックヤードの既存事業とシナジー効果を図りながら支援を進め、目指すべき事業の方向として6つの支援を掲げています。(図3)

図2:連携拠点の体制

(1) 創業支援:創業を志す意欲的な個人や企業の支援
 新規創業計画者に対して、当センターのビジネスインキュベーション・マネジャーと連携し、ビジネスプランの作成指導やブラッシアップに努めるほか、当センターで管理・運営する創業準備支援室や創業支援室といったビジネスインキュベーション施設の有効活用や当センターの創業支援補助金の活用も視野に入れ、創業者数の増加を図ります。
(2) 経営改革支援:業績向上等経営基盤の確立を目指す意欲的な企業の支援
 顧客視点に立った経営の質的転換を図り、業績向上に結び付けるための研修会開催のほか、中小企業の新たな事業活動に関する法律に定める中小企業経営革新計画認定に向けた支援を行います。
(3) 技術習得、新技術・新商品開発支援:基盤技術の高度化や先端技術の習得に意欲的な製造企業の支援
 秋田県製造業の下支え役となっている中小製造業に対し、基盤技術確立のための研修会や先端技術習得のための講習会を通じ経営基盤の強化を図りながら、大学による技術シーズ・企業ニーズのマッチングや川上・川下企業マッチングによるシーズ補完を行いながら、新技術・新商品の開発を支援します。
(4) 地域資源活用支援:地域資源を活用して新たに商品開発や販路拡大を目指す企業の支援
 秋田県特有の地域資源を活用し、新たな商品開発や販路拡大を目指す企業の相談・指導を行い、中小企業地域資源活用促進法の認定申請に向けた計画書のブラッシュアップを行うほか、当センターで管理運営する地域中小企業応援ファンドも活用しながら、新たな商品作りや販路拡大を加速させます。
(5) 農商工連携支援:農商工連携事業を活用して新たな商品開発や販路拡大を目指す企業の支援
 地域経済の基盤である農林水産業と、中小企業等が持つ経営資源を連携させ、地域発の食と農の連携による新製品開発と販路の拡大を支援します。
(6) 事業承継支援:事業の継続を希望しながら後継者問題を抱える企業の支援
 事業承継意向調査を実施して後継者問題を抱える企業等の実態を把握し、承継の可能性を探りつつ課題の解決に努めるほか、親族外承継やM&Aを中心に、円滑な事業承継のあり方等について実情に即した実践モデルの構築を目指します。


 こうした支援のためには、当センターでは対応できない、先端技術の習得に対する技術力向上支援や、制約の多い食品産業分野の新商品開発、事業承継のための金融商品作り等について、専門性の高い相手と連携し、事業効果を高める体制の構築を目指し、専門家の派遣を行うほか国や自治体の施策等も活用して支援を行っていきます。
 図3のとおり、事業承継分野においては「秋田銀行」、経営力向上研修会については「秋田県経営品質協議会」、技術向上研修会については「秋田県産業技術総合研究センター」、新技術・新商品開発支援については「秋田大学産学連携機構」「秋田県立大学地域連携・研究推進チーム」、地域資源や農商工連携支援については「秋田県食彩あきた推進チーム」とパートナー連携を組みながら、事業の完成度を高めて行きたいと考えています。

図3:あきた企業活性化センターの「地域力連携拠点」事業スキーム

 最後に、この事業の推進には応援コーディネーターを中心に、外部資源活用としてのパートナー連携はもちろんのこと、これまでご支援やご協力を頂いております関係支援機関の皆様方の力をお借りして、事業を進めてまいることになりますので、引き続き、これまで以上のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。

 

 ●お問い合わせ先

  あきた企業活性化センター地域力連携拠点「企業パワーアップ応援本部」
 〒010-8572 秋田市山王3-1-1 県庁第二庁舎2階(財団法人あきた企業活性化センター総合相談グループ) 
 TEL.018-860-5610 FAX.018-860-5704
 

(2008年7月 vol.324)
 
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財団法人秋田企業活性化センター