ビジネスレーダー

ドリフトウッド・ファクトリー 我流慕

 どこからともなく流れ着いた流木。その姿は、みなさんの目にどのように映るのだろうか。ゴミだったり、棒切れだったりと、感じ方は十人十色。
 この、形も大きさも様々な流木を組み合わせて製作された椅子やテーブルといったインテリアが、その素材の持つ木肌の美しさや温かみなどから人気を集めている。
 ドリフトウッド・ファクトリー我流慕(がるぼ)の店主 佐藤泰幸さんは、流木の持つ魅力に惹かれ、流木を素材にした本格的な家具やユニークな雑貨などの製作・販売を行っている。
 「流木の形状は、自然が偶然生み出したものです。それを使用し、製作した商品は全て一点もので、それぞれに深い味わいがあります。どの商品も、流木の持つ形や木肌の良さを伝えるために最小限の手しか加えておりませんので、手抜きに見える方もいらっしゃるかもしれませんが、加工しすぎると人工的になってしまい、流木本来の良さを活かすことが出来ません。その辺のバランスが難しいところですが、やりがいでもあります」。我流慕の商品は、飲食店などの看板や照明スタンドを始め、一般家庭の飾り棚までバラエティーが豊富で、流木の持つ美しさと顧客のオーダーに対する佐藤さんの真摯な姿勢などから、二度三度と同じ顧客から注文を受けることが多い。
 佐藤さんは、流木の良さやモノづくりの楽しさを知ってもらうため、子ども達を対象とした工作体験や、中学校などからの依頼を受け、出前教室も行っている。流木には同じ形状のものが二つとないため、それを使用してのモノづくりは、目の前にある材料をどう使い、何を作るか、子ども達の発想力を高める効果があるそうだ。
 また、我流慕では、秋田杉の間伐材をビーズに加工したアクセサリーなども製作・販売しており、横手市の秋田ふるさと村や秋田空港、秋田県の東京アンテナショップ「あきた美彩館」で販売されている。「秋田犬や、なまはげをデザインしたストラップが人気商品です」と語る佐藤さん。商品に対するお客様の意見を出来るだけ多く直接耳にするため、東京で開催された「秋田県物産フェア」や北秋田市での「全国植樹祭」など、各種イベントに積極的に出店している。このあとも、11月8日に秋田ふるさと村で開催される「第9回ふるさと特産品コンクール」のほか、11月22日〜12月14日に、先月、大仙市にオープンしたイオン大曲ショッピングセンターでの作品展示・販売を予定している。
 新たな息を吹き込まれ、価値ある物として生まれ変わった流木。その造形美を「見て」、「触れて」、流木の持つ魅力を直に感じてみてはいかがだろうか。
※我流慕・・・「我」「流木を」「慕う」の意

 CORPORATION DATA

ドリフトウッド・ファクトリー 我流慕
〒012-0105 湯沢市川連町字野村51-4
TEL.0183-42-3995 FAX.0183-42-3305
http://www.k5.dion.ne.jp/ ~garubo/
E-mail garubo@w6.dion.ne.jp


(2008年11月 vol.328)


菊地建設株式会社/有限会社あぐり大内

“グラパラリーフ”でつくったサラダ

 多くの建設工事関連会社は、公共事業が減少している中で厳しい経営局面を迎えている。特に、公共事業への依存度の高い企業ほど、年間の工事施工に大きな波があり、稼働率も極めて悪いという状況にある。したがって、こうした状況に如何に対処するかが極めて大切であることは言うまでもない。
 菊地建設株式会社では、農業を切り口に年間を通じた社員の稼働の平準化とともに、地域の活性化に取り組んでいる。同社代表取締役の 橋本一康氏 にお話を伺った。
  当社の工事受注高は、ピーク時の約半分近くまで落ち、まさに厳しい経営を強いられております。また、年間を通しては、年度当初の4〜6月に公共事業の発注が無いことも大きく影響しています。
 会社所有の遊休地の活用を図り、社員に年間を通じて頑張ってもらうことを考えたときに、農業関係の新事業を立ち上げるのが良いのではと思いました。平成17年の春頃のことです。社員は100人ほどいるのですが、地域で農業も行っている者が多く、取り組みやすいのではと考えたのです。事実やってみるとそうでした。

ダリアのプリザーブドフラワー

 農業への最初の取組では、縁あって新健康野菜として脚光を浴びているメキシコ原産の“グラパラリーフ”に出逢いました。グラパラリーフはビタミン、ミネラルが豊富で、美容、健康の増進・維持に効果が期待でき、サラダやジュースなどの生食に向く手軽な健康食材です。栽培している方から薦められたこともあって、早速同年9月に100坪規模の農業用パイプハウス3棟を社屋の隣接地に建てました。建設は本業ですから、得意中の得意です。栽培は、苦労はありましたが農業の達人である社員のお陰で生産量も増え、順調に行っています。
 平成18年1月には「農業生産法人有限会社あぐり大内」として農業部門を別組織にしました。これは、規模拡大のための農地取得などを勘案してのことです。現在では、春からの余剰労働力を活かせる夏イチゴの栽培まで行っています。
 今春からは、約600坪の農地でダリアの花を栽培しています。これは、プリザーブドフラワー(保存花)の生産販売を行っている由利本荘市の(有)フラワートさん(本誌平成20年4月号Vol.321ビジネスレーダー参照)から、栽培と加工のお話しをいただいたことによります。単にダリアを栽培するだけでなく、加工という付加価値生産を伴っていますので、大きなウエイトを持っています。したがって、今後は、栽培面積を3倍程度まで拡大し、「あぐり大内」の大きな柱にしたいですね。既に当社と関係の深い建設工事関係企業の中からも関心を示している企業が現れてきているので、ノウハウを提供して花の生産加工ネットワークを作り、地域の活性化にも繋げていきたいと考えております。

 

 CORPORATION DATA

菊地建設株式会社/有限会社あぐり大内
〒018-0731 由利本荘市大内三川字三川20
TEL.0184-65-2022 FAX.0184-65-2055
http://www.kikuchi-cons.co.jp
E-mail hiroshi-k@kikuchi-cons.co.jp


(2008年11月 vol.328)

 
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