期 日/平成20年11月24日(月)〜11月29日(土)
参加者/参加者名簿のとおり 秋田県表面処理技術研究会 7企業、1機関、11名
内 容/
11月24日、予定通り秋田空港を13時に出発し、仁川国際空港経由で当日の22時25分にハノイのノイバイ国際空港に到着した。ホテルまでの道すがら、専用バスの中から覗った街は、街灯やネオンが少なく、暗いという印象であった。
2日目の25日は、早速企業視察で、8時にホテルを出発し、市民の足として有名なバイクの集団の洗礼を受けながら一路タンロン工業団地(Tang
Long Industrial Park:住友商事が58%出資)を目指した。タンロン工業団地では、住友商事(株)から出向の大西伸治さんからベトナムやタンロン工業団地の概要を説明して頂いた。インフラの整備された広大な工業団地に日本企業等が83社進出しているとのことであった。
1. Tang Long Industrial Park
当工業団地は、住友商事グループが58%出資し、2007年9月に完成。総開発面積274haで、入居企業数は83社、従業員数は44,000人(2008年8月現在)である。
総投資額は13.1億米ドル、2007年輸出額は15.8億米ドルである。
団地内では、最初にTAKARA Tool & Die Hanoi Co.,Ltd(金属プレス成形加工、樹脂成形加工等)を訪問した。現在レンタル工場で手狭になっており新しい工業団地に移る予定とのことであった。
2. TAKARA Tool & Die Hanoi Co.,Ltd
(株)多加良製作所のハノイ工場で2005年に設立。工場はレンタルである。従業員数は約170名でSUS材どのプレス成形、プラスチックの射出成形、金型のメンテナンス等を行っている。6社と取引しているが、主要取引先はキャノンで、プリンター部品を納入している。
次にSumitomo Bakelite Vietnam Co., Ltd(フレキシブルプリント基板の製造、携帯電話の組立等)を訪問した。めっき工程の説明は秋田工場におられた石橋さんが担当され、懐かしい再会となった。
3. Sumitomo Bakelite Vietnam Co.,
Ltd
住友ベークライト(株)100%出資の会社で、主要製品はDVDや液晶製品のフレキシブルプリント基板である。敷地は65,000m2、工場の面積は20,000m2で、2002年4月から操業し、2007年9月から実装生産を行っている。現在、3,177名で94%が女性で、平均年齢22才、日本人の出向者は35名である。
次の視察先は、Goshi-Thanglong Auto-Parts Co.,Ltdであったが、案内役のガイドさんが間違って団地内にあるGoshu
Kohsan Vietnam Co., Ltd(. 排水処理のエンジニアリング会社:社名が似ている)に案内するというハプニングがあり、約30分程遅れてGoshi-Thanglong
Auto-Parts Co.,Ltd(ホイール、マフラー、ハンドルなどのホンダのバイク部品や自動車部品製造等)を訪問した。好調の企業でこれからもバイクは伸びると説明があった。
4. Goshi-Thanglong Auto-Parts Co.,Ltd
熊本県合志市にある合志技研工業(株)が55%出資の企業で、ホンダのバイク部品(マフラー、ホイルリム等)を専門に製造している。1997年1月に設立、11月に創業。1998年は1,517億ドン、177名が2008年は15,843億ドンで1,312名になっている。5Sに力を入れている。
3日目の26日は、ホーチミン市へ移動する日であったため、企業視察は無しで、午前中にハノイ市内の視察(ホーチミン廟など)を行った。ホーチミン市へは空路で移動し17時に到着したが、ちょうど雨が上がった後で、夏の夕立後の湿気の多いムッとした雰囲気に、いかにも南国という感じを持った。街の様子もハノイ市に比較し垢抜けており、エネルギッシュな商業都市のイメージであった。
4日目の27日は、午前中にホーチミン市から約45mの距離にあるビンズオン省のミーフック(三福)工業団地にあるKDK ELECTRIC
WIRECO.,LTD(伸銅線、錫めっき銅線の製造等)を訪問した。2008年6月操業で、未だフル操業でないため工場内は空きスペースが目立った。
5. KDK ELECTRIC WIRE(Vietnam)CO.,LTD
川崎電線(株)100%のベトナム工場である。ホーチミン市から45km。製品は伸銅線、溶融錫めっき銅線で、敷地面積50,000m2、建物面積は9,000m2
である。2007年12月起工式で、2008年6月から操業を開始したばかり。
午後は、Kyoshin Vietnam Co., Ltd(金属プレス部品、射出成形部品、巻線コイル部品などの製造等)を訪問し、錫、ニッケルめっき工程を視察した。めっきは外注できないため止むを得ず行っているとのことであった。
6. Kyoshin Vietnam Co., Ltd
協伸工業(株)の海外生産拠点として1995年に設立。製品は金属精密プレスによるタブ端子、ヒューズクリップ、テーピング端子、組み立て部品としてマグネットコイルなどがある。従業員数は259人(内日本人2名、事務系27人、技術系20人、一般作業者212人)である。また、第二工場では、2004年からSn、Ni、Cuのバレルめっきを行っている。
続いて、M.K Science Vietnam Co., Ltd(電着塗装、無電解ニッケルめっき、ニッケル−クロムめっき等)を訪問した。ちょうど交替の休憩時間であったため、めっき作業を見学できなかったのが残念であった。
7. M.K Science Vietnam Co., Ltd
長野県にある(株)エム・ケーサイエンス100%出資の金属表面処理加工の子会社で、2004年9月創立、2005年1月操業である。従業員数は約380名、内日本人4名(1名はベトナム人だが日本に帰化)で、敷地面積は2,100m2である。主な処理は、無電解Niめっき、Niめっき、Znめっき、Ni−Crめっき、バレル研磨、電着塗装、さらに電子部品の組み立てを行っている。
ベトナム最終日の28日は、ホーチミン市の視察(統一会堂、サイゴン大教会など)を行い、23時50分にタンソンニャット国際空港から帰国の途についた。
最後に、ベトナムの印象について、まだまだ貧しい国であるが、若い人が多くて活気があり、経済はこれからも伸びると感じた。今度は観光を主体にし、屋台で食べた強烈な臭いのあるドリアンをもう一度食べたいと思っている。 |