平成9年11月20日、五所川原市に「エルムの街ショッピングセンター」がオープンした。開発を進めてきた第三セクター「五所川原街づくり株式会社」の鎌田代表取締役は、オープンにあたり「お客様に愛される運営をしていく」とその意気込みを語っている。
 売場面積が約27,000平方メートル、駐車台数約2,700台と周辺地域では最大級となったこのSCは、核店舗の「イトーヨーカ堂」と「エルム専門店」、ホームセンターの「サンデー」、家具の「キノシタ」の三棟からなる。
 同一敷地内には青森銀行エルムの街支店が別棟で立地し、南側には11月1日にオープンしたホテル、「パークイン五所川原」が隣接、その東側には合同庁舎の建設が予定されている。当SCの北側には新興住宅や教育機関が建ち並び、街路灯と歩道が整備された都市計画道路が通る。まさに「新しい街づくり」だ。
 当然、周辺の商業集積地は地盤沈下を起こす。地元である五所川原市はもちろんだが、影響が懸念されているのが津軽地方の中心都市、弘前市である。
 同市には各大型店のほか、古くから土手町商店街が栄えてきた。商店街関係者は言う。「今後は地元の大型店と協力し、街としての集客力を考えないとだめだ」
 さらに、「エルムの街ショッピングセンター」の西方約3kmには、ジャスコの「イオン柏」が立地しており、SC同士の激しい潰し合いも始まった。
 小売業界における競争は、一対一の対決の時代から、街対街、SC対SCの総合戦の時代に突入している。
 秋田県内でも、大型SC計画が目白押しである。対岸の火事と達観する訳にはいかない。


パークイン五所川原から見た、エルムの街ショッピングセンター。
約2,700台の平面駐車場はまさに圧巻。

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