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白い森ショッピングセンター アスモ(山形県小国町)
昨年7月、山形県小国町に10年の歳月をかけた共同店舗がオープンした。官民一体となった、街づくり会社方式での共同店舗であるが、そこに、TMO(タウンマネジメント機関)のあるべき姿が見て取れる。 同町商店街の若手経営者らが、消費者の流出を食い止めようと立ち上がり、勉強会を始めたのが昭和63年。その当時から、商工会は、街づくりや、意見集約の機関として、重要な役割を担ってきた。 毎週木曜日の19時10分になると、経営者が商工会館に集合して話し合いを行い、また、将来の自己負担に備える意味で、毎月一人一律10万円の積み立ても始めた。さらには、生活者と行政、コンサルタントを交えての街づくり委員会を発足させ、街づくりについて、何回も話し合いを重ねていった。 計画当初から、商業者と商工会、生活者と行政が一体となって街づくりを考えてきたこと、民間サイドでの最大限の努力があったこと、商工会が、全体的な意見集約の場としての機能を果たしてきたことが、官民一体の協力関係を築き上げる要因となった。そして、その全体的なコンセンサスの中から、アスモという共同店舗は生まれてきたのである。 アスモ立ち上げに長年携わってきた商工会担当者が言う。「あくまで目的は街づくり。共同店舗だけではなく、様々なソフト事業も合わせての全体的な街づくりが、商工会の目的なのです」 現在、TMOという言葉だけが全国各地で一人歩きしているが、そのあるべき姿とは、アスモを取り囲む人たちを指すものであろう。
![]() あくまで街づくりの一環という位置づけのため、町中心部の立地である。 平面・立体駐車場を備えている。 |