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「ザ・モール仙台長町」(仙台市太白区)とサンカトゥール商店街の場合
ザ・モール仙台長町 TEL022−304−1111
昨年9月、仙台市に長町副都心構想の中核として「ザ・モール仙台長町」がオープンした。8ヵ月経過した今も業績は好調で、来店客数は1千万人を突破し、年間売上高も、当初予定198億円を大幅に上回る260億円に届く勢いだ。 これはSCの1つの核である西友のオールマイティーな品揃えと、LLビーン・紀伊国屋をはじめとする、ここに来なければ手に入らないという専門店の力がうまくマッチしたことが、当初商圏として考えていた、車で30分以内というカテゴリーを、秋田・山形・岩手まで押し広げた。また、当SCはハートビル法、ISO14001の認定を受け、車椅子でも盲導犬連れでも安心して来店できることも強みとなっている。 地元商店街との共存を模索する施策としては、店舗外敷地のオープンスペース開放、季刊情報誌に地元商店の情報を掲載するなどを実施している。 一方、ザ・モールと隣接し、お互いの第一次商圏を全く同じくする、地元商店街の対応をサンカトゥール商店街振興組合の畑理事長に伺った。昨年のザ・モール出店に際し、事前に九州のザ・モールを視察したり、地元3商店街連合で「ウェルカムバザール」などイベント開催を試みたが、何の効果も生み出さず終わってしまったそうだ。試行錯誤を重ね、結論として導き出されたのは「一過性のイベントは全く意味の無いもので、いかに継続していくかが重要だ」という事。 そこで同商店街は、地元で商業ベースに乗らない、隠れた地場産品や仙台市近郊の野菜の直売、大道芸やマジックショーなどのイベントを柱とする「四季彩あこがれ市」を開催し続けている。商人のエゴを排し、来場した方に満足を感じていただくことに徹したイベントは、第3回目にして来場者1万人の集客を実現した。当初3ヵ月に1回の開催を考えていたが、今は2ヵ月に1回のペースとなっている。将来的には毎月のイベントにと意欲的である。 商業の黒船、大型店とその脅威にさらされる商店街の共存は難しい。しかし、お互いがその関係を意識しながら刺激し合い、活性化していく。そこに活路は見出されるはずである。
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