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![]() 「(株)せきや」の専務 関谷 佐久 氏
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創業以来、当社に根づいている考えの基本は「企業に与えられた使命とは、社会への貢献と従業員の幸福を追求すること」という。「食」というのは、生命を維持するために必要最低限の「人の本能」であるが、読んで字のごとく「人に良くする」のが「食」である、この「食」を通して使命を全うするというのが社長の理念である。 また、当社に受け継がれてきた教えが2つある。一つは「鰻をはじめとする魚を取り扱う者として、これらの霊を敬い、供養すること」。そしてもう一つは「己の身を削っても(すり減らしても)人に尽くし、自己犠牲と献身によるサービス精神を持った商人になること」。店舗脇の敷地内には「鰻塚」と「すりこぎ棒」が祭られており、今なお教えは息づいている。 ![]() 教えが息づく「鰻塚」と「すりこぎ棒」 これだけ企業規模が拡大した現在、多店舗化は?という思いも沸いてくるが「企業としての社会的な貢献として、お客様の食を守るのが大事。仕入れから販売まで自分の目で確かめ、安心して召し上がっていただけるものを提供したい。自分達で目の届く範囲となると、多店舗化は難しい」という。こうした考えも、あくまでも「人」、「食」に対するこだわりから導き出されたものだ。
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また、当社は、品揃えを充実させながら人件費を節約できるスーパー形式の良さと、対面販売により直接顧客のニーズを肌で感じ取れる市場形式の良さをミックスした独自のスタイルを確立しており、こちらも評価は高い。 「信用は無限の資本」であり、「品揃え良く、良い商品を安く」にこだわった長年の営業により、蓄積された顧客からの信用が、他店との差別化を一層鮮明なものとしているようだ。
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当社は、鮮魚部門だけをとっても、大衆魚を取り扱う「大口課」、近海物のみを取り扱う「近海課」、刺身を取り扱う「大物課」など5部門にわけられている。 その各部、課長に仕入れから販売、ひいては部下教育の権限を与え、責任を持たせるようにしているとのこと。「大変で苦しいとは思うが、企業の繁栄はいかに多くの人間が、経営者的感覚を持って働いているかにかかっている。そう信じ、実践している」そうだ。
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このため、毎月1回、幹部従業員会議において実績チェックを徹底的に行う。成果と反省を明確にし、お互いに切磋琢磨出来るようにしている。
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この言葉通り、一層顧客に愛される店となっていくため、根強い要望がある、午前9時から午後6時までの営業時間の延長や、共働き家庭の増加等に対応した、惣菜部門の一層の充実なども検討していくそうだ。 今後も新生通町商店街の中核店として、繁盛が期待されている。
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