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![]() (株)長濱の専務 長濱 規加子さん
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「実家が青果関連の卸売業を営んでいたことから、商売をするという環境が子供の頃から体に染み付いていました。とにかく商いがしたかったから…」というのが商売を始めたキッカケとのこと。 そしてコーヒー業界を選んだ理由を 「私たち夫婦は早婚で、若い頃は本当に貧しい生活を余儀なくされていました。そんな貧しい生活に耐えてこられたのは、朝二人で飲む一杯のコーヒーがあったからだと思います」と語る。 経営指針とか売上高とか全く考えられなかった、専業主婦だった規加子さんにとって、自分たちの生活に夢と安らぎをもたらしてくれた「コーヒー」と付き合っていくことは至極自然なことであったのだろう。 仕入先も販売先もない、全くゼロからのスタート。規加子さんは昼も夜もなく働いた。商売を始めて3ヵ月で10キロも痩せたが「楽しく痩せれましたよ」と笑って当時を振り返る。 程無く同じ志をもつ全国展開のボランタリーチェーンに加盟、商売は順調に推移した。しかし、大好きなコーヒーに埋もれて商売していける幸せを感じる一方で「もっとおいしい、もっと新鮮なコーヒーをお客様に届けたい」という欲求が芽生え始め、平成4年にボランタリーチェーンを離れて独立した。
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「商売をしていくうえで、どれだけ商品を売って、どれだけ利益をあげるかといった自分本位の夢や考えだけでは長続きはしません。地域のお客様と接し、触れ合っていくことを信条として、自分や社員の判断が“お客様にとっての善なのか悪なのか”を常に考えながら、行動したいと思います」。 その実践として「コーヒーを飲む空間をお客様に提案することなくコーヒーを売ることはできない。コーヒーのある豊かな生活空間を提供したい」と、平成8年に焙煎工場併設のカフェ「ナガハマコーヒー」を秋田市広面にオープンさせた。 現在、OCS事業に加え、お客様の希望(コク、深み、酸味等々…)を聞き、それを自社工場でブレンドし、お客様のニーズにあったコーヒーを提供する新しいサービス事業を計画している。しかも、今日注文を受けたものを翌日自社工場で焙煎し、注文の2日後にはお客様の職場や自宅などに配送料無料で届けるのだという。 「コーヒーは焙煎してから劣化が始まります。牛乳や豆腐、卵などと同じです。ですから、早朝配達される牛乳をイメージしているのです」。「私たちは安心と、安全、鮮度にこだわって秋田の朝にコーヒー文化を根づかせたいのです」と規加子さん。
![]() ナガハマコーヒー
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「女性は車の運転が下手だとか、すぐに泣くとか言われる。残念ながら私たちはそんな女性の集団。でも女性でなければない極め細やかさ、一途さ、ナイーブさ、几帳面さ…そういったものは決して世の皆さんに嫌われるものではないのですよ」と。 営業の方も、お店で働く方もはつらつとしているのは、規加子さんのそうした思いが前面に出ているからであろう。
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自分の努力で自分の給与を勝ち取れる会社、社員にとってやりがいが実感できる職場を目指しているのだ。
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夫であり社長の實氏、確かな技術をもった工場長、そして自分のファミリーのような社員たちに囲まれた規加子さん。女性ならではの感性を活かした、積極的な経営に注目していきたい。
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