■ ホームセンターからスーパーへ
|
昭和5年に製材会社として創業した当社がホームセンターを開業したのは昭和58年のこと。当時まだ“走り”だったホームセンターは週末の度に賑わいを見せたが、徐々に県外資本の同業他社が増え、必ずしも安泰ではなくなってきた。「何か特徴がなければ売れない」と、店の一角に食品を置いてみたところ効果があった。
そして平成10年、食品部門を独立させ、県内初の食品の100円ショップ「100えんランド」を開店、12年には食品スーパー「スーパーランドヤマト」を開店するなど本格的に食品部門に参入し、ホームセンターとしてだけでなく“スーパー”としても認知されるようになった。 |
■ 業態の転換と大町への移転
|
「マックスバリュ大町店が入っていた秋田ニューシティ地階に移転しては」。秋田市卸町の店舗が建て替えの時期に来たことに合わせ、新業態への転換を模索していた時に舞い込んだ話だったが、地下での営業、立体駐車場という問題もあり周囲の見方は厳しかった。しかし、「ここは高齢者や単身者が多い地域。半径500mの歩きと自転車のお客様を主なターゲットとするならば競合店が少ない。また、飲食店街の川反が近いので業務用の需要も見込めるはず」とプラスに判断し、出店を決めた。決断を後押ししたのは「元のダイエーのようにして欲しい」という周辺住民の声。この声を聞き湧き上がってきた「大町に賑わいを取り戻したい」という思いが決意を更に固くさせた。
こうして当社は、移転を機にホームセンター業務から撤退しスーパー部門に特化、卸町の土地を売却するなど大きな賭けに出た。「今までもずっと模索しては決断してきました。数字が極端に悪くなる前に新しいことを考える。中小企業が生き残るためのひとつの方法です」と茂木常務は言う。
創業から40年。当社の歴史はまた新たな転換期を迎えている。
|
■ スーパーランドヤマト大町
|
高齢者や単身者が多い周辺地域の特性を考慮し、当店では『ちょっと手を加えて食べる、そのまま食べる、好きな
量を食べられる』をキーワードに、32種類の焼き魚や弁当、カット野菜、量り売りの惣菜、注文を受けてから握るおにぎりコーナー等を充実させている。また、地元企業の商品を積極的に仕入れ、“地産地消”を意識した商品構成にしている。
その他、出店前にリサーチして多かった「日用雑貨の店が欲しい」という声に応えるために雑貨部分を、そして長年の贔屓客のために、小さいが100円コーナーを残した。また、近くの飲食店の需要に応えるよう業務用サイズの食材の充実にも努めるなど、顧客に喜んでもらえる店づくりを目指して随所に工夫を凝らしている。
問題点とされていた立体駐車場は、「3台分のスペースに2台」としたほか、従来と料金システムを変更。商品購入の有無にかかわらず最初の1時間は無料、500円以上買い物をした場合か各テナントで合計1,000円以上買い物をした場合は、更に1時間を無料とした。 |
■ 『ふれあい』でマイナスをプラスに
|
『和と輪とふれあい』をコンセプトとする当店は、顧客とのふれあいを大事にする様々な取組みをしている。店員が車まで荷物を運ぶポーターサービスや、会員になると無料(秋田市内)で行う配達をはじめ、仕切りを取り払った市場風の対面式の店づくりなどがそれだ。顧客は帰りを気にせずたくさん買い物できるし、気軽に店員のアドバイスを求められるので安心だ。
しかし、『ふれあい』のメリットは顧客にとってばかりではない。当店にとっても、立体駐車場を嫌う顧客を呼び戻すきっかけにもなり、少量買いの顧客と考えていた自転車・徒歩の顧客が、たくさん買ってくれる顧客に転ずる可能性にも繋がる。『ふれあい』はデメリットを克服するカギでもあるのだ。
茂木常務は「お客様から頂戴したご意見をどんどん取り入れ、柔軟に変わっていける店を目指しています。“小回りのきく中小企業”だからこそできることです」と、謙虚な中にも自信を覗かせる。 |
 |
現在、空洞化している大町地区だが、「嘆くだけではなく、『自分たちで何とかしなくては』という意識が大事です。地域との調和を大事に、これから他のテナントさんや地元商店街さんと協力して地区を盛り上げたい」という茂木常務。ここを再び“秋田市の商業地区の雄”にすべく出店、新たな一歩を踏み出した当社の奮闘を見守りたい。 |
 |
CORPORATION
DATA |
|
代表取締役 清水 英夫
|
〒010-0921 秋田市大町2丁目3-27 秋田ニューシティビル |
TEL:018-862-2036 FAX:018-824-5987 |
URL:http://www.a-yamato.com/ |
営業時間:9:00〜20:00 不定休 |
|
|
|