六郷町の4つの醸造元と酒の小売店がタイアップし、特別本醸造「名水の雫」を開発した。
同町は奥羽山脈の裾野に広がる扇状地で、60余りの湧水群があり、環境庁指定の全国名水百選に選ばれている。この豊かな清水を活用し江戸時代より多くの造り酒屋が繁栄し、現在でも5軒の蔵元が残る県南一の銘醸地。
しかし、ディスカウント店の進出や消費者の嗜好の変化などにより醸造元、小売店ともここ数年、厳しい状況に置かれていることから、両者が協力して六郷ならではの酒を開発し、町や業界の活性化に結びつけようと昨年からオリジナル酒の醸造に取り組んでいた。同町の蔵元4軒と町酒販組合(加盟16店)がこの事業に参加。60%に精米した町産の美山錦を、本醸造に適した秋田流花酵母で仕込むという統一基準を設け、昨年春、町の農家に美山錦の栽培を委託。ここでとれた米だけを使って4軒の蔵元で仕込んだ。また「名水の雫」のラベル文字も町の書家・小松典松氏に依頼し、販売は同組合加盟の小売店だけとするなど、あくまでも六郷にこだわった。醸造元の1つ栗林酒造の栗林啓亮社長は「名水の雫は、地元でとれた酒米と水だけを使ったオリジナル酒。“清水の里”六郷の新たな名産品として来年以降も継続して生産していきたい。」と話している。

アルコール度15度台、精米歩合60%でやや辛口。全般にきめ細かで淡麗な味に仕上がっているが、蔵元によって微妙に味が異なる。1.8リットル入り(1升瓶)2,300円が2,000本、0.72リットル入り(4合瓶)1,200円が2,500本の限定販売。
問い合わせは、栗林酒造店(六郷町六郷字米町56 TEL:0187-84-2108)まで。
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