
男子平均 42万7千円/女子平均 25万円
平成10年度 冬季賞与支給予定状況調査報告結果
当中小企業情報センターでは、県内企業の皆様のお役に立てるため、例年10月に冬季賞与支給予定額の調査を実施しております。今月号では、その調査結果をお知らせします。
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内 容
●調査概要
1.調査方法
2.算出方法
●調査結果
1.回答企業の概要
2.支給予定状況
3.昨年との比較
4.増加・減少理由
5.支給時期
6.支給のための借入れ状況
7.借入れ依存分
8.冬季賞与支給予定額
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1.調査方法
調査は、県内企業の中から、1,965社をランダムに抽出し、10月中旬を調査時点に郵送による書面調査で実施した。
このうち、354社(回収率18.0%)の企業から回答があり、集計は表1のように5業種(製造業はさらに7業種)に分けておこなった。
2.算出方法
平均年齢、平均勤続年数、平均給与額、平均冬季賞与支給予定額は、すべて従業員数により算出したもので、算出基準となった従業員数は男子8,559人、女子4,270人、男女合計12,829人である。従って、平均冬季賞与支給予定額36万8千円は、従業員12,829人の平均冬季賞与額を示すものである。(表8)
10月中旬時点における本調査結果は、次のとおりである。
1.回答企業の構成(表1)89.8%が未組織労組
回答企業354社のうち、社内に労働組合を有する企業は10.2%の36社で、残りの89.8%にあたる318社は労働組合が組織されていない企業である。このため集計結果には、労働組合を持たない企業の実態が強く反映されている。
2.支給予定状況 76.0%が支給予定
回答企業354社のうち76.0%にあたる269社が冬季賞与の支給を「予定している」とし、「予定していない」は2.9%の10社にとどまっている。
また、「まだ決めていない」と回答した企業は、21.1%の75社となっている。
3.昨年との比較(表2)
4.5%の企業が増加、減少は51.5%
昨年の冬季賞与額と比較した場合、回答全体では4.5%が「増加する」、51.5%が「減少する」、43.9%が「ほぼ同額」となっており、「減少」が「増加」を47.0ポイントも上回っている。
これを業種別でみた場合、「増加する」とした指摘割合がもっとも高かったのは繊維・衣服で、わずか9.5%にとどまっている。
一方、「減少する」では、木材・木製品が70.0%、さらに機械機具が63.0%、その他製造業が58.8%と軒並み高い率を示している。
DI値(「増加する」と回答した指摘割合から「減少する」と回答した指摘割合を差し引いた値)を、当センターの昨年までの調査と比較すると、平成7年冬△0.3→8年夏14.0→同冬1.9→9年夏8.2→同冬0.4→10年夏△35.7→今冬△47.0と今季はDI値がさらに大幅に減少しており、一段と厳しい経営環境と労働環境をうかがわせている。

4.増加・減少理由(表3、表4)
増加理由→業績良好が60.0%
昨年との比較において、4.5%の企業が「増加する」と回答しているが、その理由としては「自社の業績が良好」が60.0%と最も多く、次いで「その他」33.3%、「同業者の相場が上昇」13.3%となっている。

減少理由→業績悪化が87.0%
一方、51.5%の企業が「減少する」と回答しているが、その理由としては「自社の業績が悪化」が87.0%と圧倒的に多く、次いで「同業者の相場が下降」5.3%、「地域内企業の相場が下降」4.7%となっている。

5.支給時期(表5)「12月21日〜31日」が42.1%
回答全体では「12月21日〜31日」が42.1%と最も多く、次いで「12月11日〜20日」が37.1%とそれに続いている。支給時期が1月以降にズレこむ企業はわずか1社。

6.支給のための借入状況(表6)
48.4%が借入を予定
回答全体では48.4%の企業が借入れを「予定している」とし、残り51.6%が「予定していない」としている。
これを業種別に見た場合、借入れを「予定している」と回答した割合の多い業種では、金属・鉄鋼が63.2%と最も多く、次いで機械器具63.0%、食料品及び電気機械58.3%となっている。
一方、「予定していない」と回答した割合の多い業種は、繊維・衣服の73.7%で、次いで木材・木製品68.4%、卸売業及び小売業59.3%となっている。

7.借入依存割合(表7)
59.9%がほぼ全額借入れ
回答全体では「ほぼ全額」が59.9%で、「約半分」が32.2%、「半分以下」7.9%となっている。
これを業種別に見た場合、「ほぼ全額」と回答した割合の多い業種では、機械機具が81.3%と最も多く、次いで繊維・衣服80.0%、その他製造業78.6%となっている。
一方、借入依存割合の低い業種は、卸売業で36.4%、次いで食料品46.2%となっている。

8.夏季賞与支給予定額(表8〜20)
男子42万7千円、女子25万円
回答全体(354社)では、基本給をベースにした支給月数で、男子は1.89カ月分の42万7千円(平均年齢38歳、平均勤続年数12年、平均給与支給額22万5千円)、女子は1.63カ月の25万円(同36歳、9年、15万3千円)、男女平均は1.82カ月分の36万8千円(同37歳、11年、20万1千円)。
●表8:回答全体、表9:建築業、表10:卸売業、表11:小売業
●表12:サービス業、表13:製造業全体、表14:食料品製造業
●表15:繊維・衣服製品製造業、表16:木材・木製品製造業、表17:金属製品製造・鉄鋼業
●表18:機械器具製造業、表19:電気機械器具製造業、表20:その他の製造業
※ 労組の有無による違い
労組のある企業では男子が51万4千円(2.42カ月分)、女子が37万9千円(2.37カ月分)、男女平均が48万1千円(2.41カ月分)となっている。
一方、労組のない企業では男子37万4千円(1.60カ月分)、女子20万7千円(1.37カ月分)、男女平均31万1千円(1.54カ月分)となっており、男女平均で比較すると、金額で17万円、月数で0.87カ月分の差となっている。
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