![]() |
常に愛される商品を目指しての商品づくり |
株式会社鈴木水産 代表取締役 鈴木 實 氏 |
秋田名物八森ハタハタ…ハタハタの季節が近づいてきた。冬場の秋田を代表する魚といえば、「ハタハタ」。県内のみならず県外にもファンは多い。一時は、資源の涸渇が心配されていたが平成4年から3年間、漁業者の自主規制により全面禁漁を実施したため、10年には漁獲量が558トンにまで回復した。ハタハタの本場、八森町で「ハタハタずし」など近海魚を中心とした水産物加工品の製造を行っている昭和35年創業の(株)鈴木水産。今号では、その代表取締役である鈴木實氏に話を聞いてみた。
![]() 株式会社鈴木水産(本社工場)
![]() 鈴木 魚の消費量はだいたい決まっていますが、高級魚が売れません。消費者の財布の紐が堅いようです。このため、「例えば、キロ10,000円のマグロが浜値で6,000円に下げないと買い手がつかない」という状況です。単価の高い魚の値が下がりました。これは漁業に従事する方の収入にも影響しますし、景気の動向が総てに波及しています。 当社の売上げにも3〜4年前から数字で現われ出しました。それまでは右肩上がりの上昇カーブを描いていたのですが… 贈答用の商品などの直接注文で消費市場と直結していますので、直に感じますね。「ハタハタずし」は季節要因が大きいのですが、1kg入の樽が売れない。そのため500g入との中間の750gの樽も用意している、というように以前に比較するとバリエーションが増えました。
![]() URL http://www.shirakami.or.jp/〜suzuki/ 鈴木 現在のヒット数は7,400件を上回って、電子メールでの注文もきておりますが、消費者からの注文という点では、まだ電話かハガキ、やはり電話注文が多いですね。DMのヒット率は伸び悩んでいます。商品カタログに載せている商品のほかにもつくっていますので、問い合わせていただけたら、いつでもお答え致します。
![]() 鈴木 平成7年の東北むらおこし物産展「特産品コンクール」でいただきました。そもそもが単純な発想からだったのです。「ハタハタ」が獲れなくなってきた。資源が少なくなったら製品が無くなってしまいます。細く長く持続するには、そこで「かまぼこ」、かたちは「さかな」の形で。かまぼこの主原料はスケソウダラですが、ハタハタを多く入れすぎるとボロボロになってしまう。風味を出さなければならないため、入れる割合がなかなか難しかったですね。完成までは1年くらいかかりました。
![]()
![]() 鈴木 構想は持っていますが、具体化は現在の状態ではちょっと考えられません。でも近いうちに総合食品研究所に足を運んで相談に行ってみようと思っています。
![]() 鈴木 「売るための努力とつくるための努力」を心がけています。これは車の両輪みたいなもので、両方揃っていなければバランスも悪いし、前には進まない。良いモノをつくりたい。しかし、売れなければ商売にならない。消費者には、商品を知ってもらうように会社が努力しなければならない。なかなか難しいことです。
![]()
事務所には、新しいデスクトップパソコンが目立つ。昨年暮れ頃から徐々に以前使っていたパソコンを入れ替えていったそうである。ハードディスク容量も増え、コンピューター2000年問題もあることだし、ちょうど良かった、と。また、消費者には「常に愛される商品を目指して、商品づくりに心がけていきたい」と話す鈴木社長。 「ハタかま」の後に続く新名物のお話を伺うことができなかったのがちょぴり残念だった。今後ともみんなに喜ばれる、おいしい海からのおくりものをおくり出してほしい。今後の新商品にも注目したい。
|
![]() |
経歴: 昭和16年生まれ。 八森町在住。 |
株式会社鈴木水産 山本郡八森町字八森244-2 電話:0185-77-2217 |