留守番電話、ファミコンは6割が所有
BS放送も5割を越える

県内一般家庭における情報機器等利用実態調査結果

 通信関連を含む情報機器の個人需要は、ここ数年驚異的な伸びを見せています。
 そこで当中小企業情報センターでは、今年2月に、秋田県内の一般家庭における情報機器等の所有状況や利用実態、今後の利用に対する意識等を把握するために「県内一般家における情報機器等利用実態調査」を実施しました。
 今号では、その調査結果を紹介します。

調査の概要回答者の内訳
1.調査対象
  秋田県内居住者 1,000名
2.調査方法
  書面による面接調査及び一部書面滞留調査
3.調査時点
  平成9年2月
4.有効サンプル数
  954件
 有効回答者は954名。
 うち、男性623名(65.3%)、女性331名(34.7%)。
 うち、10〜20歳代は371名(38.9%)、30歳代 279名
(29.2%)、40歳代 192名(20.1%)、50歳以上 112
名(11.7%)。
 うち、家族と同居が812名(85.1%)、ひとり暮しが127名(13.3%)、その他が15名(1.6%)。
 詳細については、表−1及び図−1〜2を参照。

表-1 回答者の概要                        単位:人(%)
10〜20歳代30歳代40歳代50歳以上家族と同居ひとり暮らしその他全体
男性201(32.2)198(31.8)140(22.4)84(13.5)532(84.0)88(14.1)12(1.9)623(65.3)
女性169(51.1)81(24.4)52(15.7)29(8.8)289(87.3)39(11.8)3(0.9)331(34.7)
全体37127919211281212715954

図-1 男女別の内訳図-2 年代別の内訳


調  査  結  果
1.情報機器等の所有状況及び今後の利用予定
 県内一般家庭における情報機器等の所有状況及び今後の利用予定を見たのが図−3。それを男女別に表したのが図4〜5。
 各機器についての利用状況や今後の利用予定を、下記の4つの中から答えていただいた。
  A.現在所有している
  B.今は持っていないが今後は欲しい
  C.持っていないし、今後も利用するつもりはない
  D.分からない
 全体で、Aと回答した割合が最も高かったのが留守番電話で、60.8%と実に6割以上を示し、Bの18.2%を合わせると8割近くに上る。ファクシミリは、Aとする回答は17.5%だが、Bは37.2%を示している。携帯電話・PHSは、Aとする回答が31.1%、Bが32.9%と、合わせて64.0%にも上っており、通信手段そのものの多様性を改めて感じさせられる。
 衛星放送(BS)は、Aとする回答が54.4%と過半を占めたのに加え、Bも28.1%を示し、今後も順調な伸びが期待されよう。また、衛星放送(CS)は、Aとする回答はわずか5.6%に過ぎないものの、Bが45.5%を示しており、今後は驚異的な伸びが期待される。さらにケーブルテレビ、インターネットテレビで、Bとする回答がそれぞれ33.1%、30.3%の高率を示し、今後の動向が注目される。
 さて、コンピュータ関連を見てみよう。いちばん所有率が高いのはファミコン・ゲーム機等で、Aが59.7%を示したが、Bは8.6%と1ケタ台にとどまっており、今後所有率の伸びは鈍化が予測される。ワープロは、Aが48.0%と約半数を示したものの、Bが19.0%にとどまった。それに対し、パソコンはAが26.2%に終わったが、Bが46.0%を示し、将来的にはワープロとパソコンの所有率は逆転するものと思われる。
図-3 所有状況及び今後の利用予定(回答全体)
図-4 所有状況及び今後の利用予定(男性)
図-5 所有状況及び今後の利用予定(女性)

2.機器の利用目的
 1でA及びBと回答した方の、その利用目的を見たのが図−6。
 全体で「あれば便利だから」と回答した割合が81.1%と圧倒的に高く、「趣味に利用したいから」が49.3%と約5割を占めそれに続いている。次いで「自分の仕事に利用したいから」の37.7%、「情報を迅速に入手したいから」の31.6%となっている。
 利用目的を男女別に見たのが図−7〜8。
 男女とも「あれば便利だから」が78.2%、86.6%と最も高く、「趣味に利用したいから」がそれぞれ53.1%、42.1%で続いている。その他の項目もほぼ同率を示しているが、「自分の仕事に利用したいから」は、男性の45.4%に対し、女性は23.2%と2割以上の開きを見せ、唯一男女差を示した。
図-6 利用目的(回答全体)
図-7 利用目的(男性)
図-8 利用目的(女性)

3.ワープロ及びパソコン等の購入先
 ワープロやパソコン等のコンピュータ機器の購入先を見たのが図−9。
 全体で「家電販売店」とする回答が43.4%と圧倒的多数を示し、次いで「メーカーの販売代理店」の17.2%、「事務機器販売店」の13.4%、「ディスカウント店」の11.2%となっている。
図-9 ワープロ及びパソコン等の購入先(全体)

4.ワープロ及びパソコン等の利用状況
 ワープロやパソコン等のコンピュータ機器の利用状況を見たのが図−10。
 全体で「十分に活用している」とする回答が14.2%に終わったが、「ある程度は活用している」とする回答が37.6%を示しており、半数以上は活用していることになる。また、「あまり利用していない」とする回答は19.5%、「全く利用していない」は7.9%であった。
 これを男女別に見たのが図11〜12。
 男性で「充分に活用している」とする回答が18.8%を示したのに対し、女性ではわずか5.5%に過ぎず、男女間の活用の度合いに大きな開きが見られる。
図-10 利用状況(全体)
図-11 利用状況(男性) 図-12 利用状況(女性)

5.ワープロ及びパソコン等の利用分野
 ワープロやパソコン等のコンピュータ機器の利用分野を見たのが図−13。
 全体で「自分の仕事」とする回答が46.2%でいちばん高く、「手紙など私的な文書作成」が36.6%でそれに続いている。
 これを男女別に見たのが図14〜15。
 男性で「自分の仕事」とする回答が51.5%と過半を占めたのに対し、女性では「手紙など私的な文書作成」が39.8%でトップ。男性が「ゲーム」で23.2%、「インターネット」で13.4%を示したのに対し、女性ではそれぞれ13.0%、4.3%に終わっており、男性の方がより多くの分野に利用していることが分かる。
図-13 ワープロ及びパソコン等の利用分野(全体)
図-14 ワープロ及びパソコン等の利用分野(男性)
図-15 ワープロ及びパソコン等の利用分野(女性)

6.ワープロ及びパソコン等を 利用する上での問題点
 ワープロやパソコン等を利用する上での問題点を見たのが図−16。
 全体で「機能を充分に使いきれていない」とする回答が36.2%でいちばん高く、「マニュアルが分かりにくい」が20.8%、「ソフトが高価である」が16.1%、「場所をとる」が14.1%でそれに続いている。
 これを男女別に見たのが図17〜18。
 男女とも「機能を充分に使いきれていない」とする回答した割合が最も高く、男性で32.0%、女性では44.1%を示し、女性の方が機能を充分に生かしていないことが分かる。次いで、男女とも「マニュアルが分かりにくい」を掲げているが、男性の23.4%に対し女性は15.7%、「ソフトが高価である」は男性の19.0%に対し女性は10.6%、「インターネット等の通信料が掛かりすぎる」は男性の15.1%に対し女性は4.7%と、活用段階での不満度は男性の方が高い。

 一般家庭におけるコンピュータ機器関連は、ワープロとファミコンの普及についてはほぼ一段落、今後はここ数年伸び悩んでいたパソコンがその主流となり、利用範囲もより多くの分野へと広がるはずだ。個人でのインターネットへの加入率が急上昇していることでも窺える。
 通信機器については、携帯電話・PHSの加入者が県内でも倍々ゲームで増え続けている。NTT、DDIをはじめ各社ともエリア拡大にしのぎを削っていることから、この傾向はまだまだ続きそうである。留守番電話は、伸びがやや鈍化してきてはいるものの、将来的には9割前後の普及率になると業界では見ている。ファクシミリについては、今後急カーブで上昇する見込みである。各メーカーが、こぞって低価格の留守番電話機能付きFAXを販売したことで、一層の弾みがついたようだ。
 衛星放送は、BSに関しては留守電同様に加入率9割に迫るのも遠くはないと見る向きが多い。しかし今後は、CSの急速な台頭が予想される上、今年秋田市にも開設されるケーブルテレビなど、より選択肢の多い時代を迎えることになり、BSといえども予断を許さないだろう。
 ともあれ、いずれの機器もさらなる普及が見込まれることは必至であり、その利用の形態もより高度かつ多岐にわたるものとなろう。

図-16 ワープロ及びパソコン等を利用する上での問題点(全体)
図-17 ワープロ及びパソコン等を利用する上での問題点(男性)
図-18 ワープロ及びパソコン等を利用する上での問題点(女性)

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