調査報告 '97春の新卒者の初任給
  採用及び初任給調査結果

 本調査は、企業の皆様が今春の初任給額を決定する際の参考に資するために、県内から2,000社をランダムに抽出、郵送による書面調査として行ったものである。
 集計は、食料品、繊維・衣服、木材・木製品、鉄鋼・金属、機械器具(電機を除く)、電気機械、その他の7製造業と、建設業、卸売業、小売業、、金融・保険、サービス業の計12業種に分けて行った。
 なお、回答は797社からあり、回答率は39.9%であった。

1.県内企業の新規学卒者の採用予定状況                  回答797社の採用予定状況を見ると、全体で「採用したいが今はひかえている」とした回答が44.7%で最も多く、「計画通り採用できる」とした回答の23.8%を大きく上回り、昨今の県内就職の厳しさを物語っている。次いで「計画通り採用できない」が14.2%、「計画通りだが必要な人材は採用できない」が12.3%となっている。(表−1〜2)
 これを業種別に見ると、「計画通り採用できる」と回答した割合が最も高かったのは建設業で44.9%。以下、機械器具の39.2%、金融・保険の38.1%、鉄鋼・金属の31.1%、サービスの27.0%がそれに続いている。また「採用したいが今はひかえている」は、小売業が60.7%で最も高く、次いでその他の製造業の55.4%、卸売業と食料品の50.0%、金融・保険の47.6%となっており、県内企業の採用面での慎重さは相変わらずといったところ。

表-1 県内企業の新規学卒者の採用予定状況(重複回答あり)単位:%()内は企業数

表-2 県内企業の新規学卒者の採用予定状況=製造業の内訳(重複回答あり)単位:%  ()内は企業数

2.県内企業の新規学卒者の採用方法                    次に、回答企業の採用方法を見ると、全体で「学校からの紹介」が44.3%と最も高く、「職安からの斡旋」が30.6%でそれに続いている。
 業種別に見ても、「学校からの紹介」は、機械器具の70.6%を筆頭に、建設業で61.2%、鉄鋼・金属で60.0%、電気機械で59.4%、金融・保険で52.4%と過半を占めたのをはじめ、全業種で最高値を示す結果となった。(表−3〜4)

表-3 県内企業の新規学卒者の採用方法(重複回答あり) 単位:% ()内は企業数

表-4 県内企業の新規学卒者の採用方法=製造業の内訳(重複回答あり)単位:%()内は企業数

3.秋田県の学歴・職種別初任給
 秋田県の学歴・職種別初任給額を見たのが表−5。(県全体と地場企業と進出企業に分類)
 また、従業員規模別初任給額は表−6に、業種別初任給額は表−7〜8に示した。(サンプル3名以下の職種に関しては数値掲載せず)

・地場企業と進出企業の比較
 秋田県内の地場企業と進出企業の学歴・職種別初任給額の比較を見ると、全体的には圧倒的に進出企業の方が上回っており、例年同様の格差が生じている。しかしながら、地場企業も女子を中心に24職種中6職種で上回っており、今後は男子にもこの傾向が広がることを期待したい。

・秋田県の男子と女子の比較
 秋田県の男子と女子の学歴・職種別初任給額の比較を見ると、「大学卒営業」と「各種学校卒事務」で女子が上回ったほかはすべて男子が上回る結果となった。特に「短大高専卒営業」「同事務」では2万円前後の開きを示し、依然男女間の給与格差は否めない。

・従業員規模別に見た初任給
 従業員規模別の初任給額を見たのが表−6。
 24職種中11職種で「300人以上」が最高額を示したものの、その他の職種は多岐に分布している。とりわけ、最小規模の「20人未満」でも6職種が最高額を示しており、企業規模による格差はほとんど見られない。

表-5 秋田県の新規学卒者の学歴・職業別見込初任給 単位:円

表-6 秋田県の新規学卒者の学歴・職業別見込初任給(従業員規模別) 単位:円

表-7 秋田県の新規学卒者の学歴・職業別見込初任給(業種別) 単位:円

表-8 秋田県の新規学卒者の学歴・職業別見込初任給(業種別=製造業の内訳)単位:円

バックナンバー集へ戻る