雇用されて働く人の4割が女性と、働く女性達は経済社会を支える大きな力となっています。
しかし、男女雇用機会均等法施行13年を経た現在でも「女性はソフトだから窓口業務」「外回りは男性の仕事、得意先が納得しない」「企業の戦力は男性。昇進に差があるのは当然」「ほとんどの女性は結婚し出産で辞めていくのだから結婚や妊娠を理由に辞めてもらっても問題ないのではないの」等々、「女性である」ということで大数観察的に一括りにするような考え方が根強く残っています。
改正均等法では募集・採用、配置・昇進・教育訓練、一定の福利厚生、定年・退職・解雇について女性に対する差別を禁止しました。即ち女性を不利に取り扱うことはもとより、女性のみを対象とすることや女性を優遇することも、女性の職域の固定化や男女の仕事を分離することにつながるとして原則禁止となりました。性別でなく個々人の意欲、能力に応じた雇用管理をするよう求めているところです。
また、この度の法改正では職場におけるセクシュアルハラスメント防止の配慮義務が事業主に課せられました。
セクハラは「職場の潤滑油、コミュニケーションの一つだ」との見方もありますが、本人の意に反する性的な言動は、女性の個人としての尊厳を傷つけるだけでなく、時には退職にまで追い込んでしまう場合もあり、また、企業にとっても職場秩序や社会的評価に影響を与える問題であり、未然の防止こそが非常に大事です。
事業主がセクシュアルハラスメント防止のため配慮すべき事項としては
1.セクハラは許さないという事業主の方針を明確にし、それを周知・啓発すること
2.相談・苦情への対応体制の整備
3.職場でセクハラが生じた場合には事後の迅速で適切な対応が指針で示されております。
なお、ここで云うセクシュアルハラスメントとは(1)職場において行なわれるものであること(2)女性の意に反する言動であること(3)それに対する女性の対応により女性労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されたりするものであること―のすべてを満たすものです。
「性的な言動」の具体例も指針で例示されておりますが、基本は相手が不快に感ずることは云わない、しないということ。もっと具体的に云えば自分の妻、娘、恋人がされたらいやだと思うことはしないことではないでしょうか。
女性を、企業を支える対等なパートナーとして、それぞれの持っている「力」を企業のために活かすことは、セクハラのない明るい職場づくりにつながるとともに均等法の趣旨にも沿い、かつ企業の発展になることを改正均等法のスタートを機に改めてご認識頂ければと思います。
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