このコーナーでは、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業や、商業者の新たな取り組み、アントレプレナー(起業家)の挑戦などを紹介します。

有限会社十文字ケミカル
有限会社十文字ケミカル 有限会社十文字ケミカル  光学及び電子産業用平行平面ガラスメーカーとして技術力に定評のある有限会社十文字光学(代表取締役 大木紀子)が、環境関連ビジネスに進出し業績を拡大させている。  有限会社十文字ケミカルは平成16年5月設立した。主な業務は水処理用化学薬品や化学工業製品の販売であるが、単に薬品を販売するだけではなく、それぞれの現場にあった薬品や使用方法、設備機器の改善など水処理に関する課題解決のための提案型営業で取引先との信頼関係を構築している。
 大木社長がこの業界参入を決めたのは、煤賀所長の存在が大きかったという。ISO14000を取得している十文字光学は環境に対する意識が高く、水処理施設にも常に細心の注意を払い万全の体制で望んでいた。数年前、同社の廃水処理プラント更新の時に販売会社の担当として来ていたのが煤賀所長であった 。この時の排水処理機器や薬品の使用方法、使用量、廃水処理状況の変化による調整方法など、これまでに無い様々な提案を受け設備を導入したところ、廃水処理コストを従来の120万円/月〜150万円/月から30万円/月まで低下させることが出来たという。自らの工場での処理施設改善の成功と水処理のスペシャリストの煤賀所長を迎え入れることが出来たことが新会社立ち上げにつながったという。
有限会社十文字ケミカル  煤賀所長は、「各自治体や工場など排水処理が必要な施設には、廃水処理プラントや各種処理用機械設備の設置が必要となるが、それらの処理設備は使用する機器にメーカーの指定があったり、薬品にも成分ではなく指定されたメーカーのものを使用するようマニュアルに記載されている場合も結構多い。しかし、実際は処理内容によっては処理用機器ももっと安価なメーカーを利用することが出来たり、薬品についても成分が同じで安く入手できるものも数多くあるなど、まだまだ改善可能な施設が多くある」という。化学薬品を扱うこの業界で、今は県外資本の企業が多く価格だけでは競争に勝ち抜くことはできない。しかし、水処理に関する様々な課題を顧客と一緒に考え課題解決していく提案、コンサルティング型営業を推進し他社との差別化を図ることで十分勝機はあると大木社長と煤賀所長は意欲的に語ってくれた。

オレンジオーブン
オレンジオーブン  3月27日、大仙市東川のスパゲティ専門店トレンタ大曲本店隣に、ヨーロッパ調の真っ白な壁が印象的なケーキショップ『オレンジオーブン』がオープンした。大仙市には洋菓子専門店が少ないこともあり、当店はケーキ好きにとって待望のショップ。オープンから間もないが、早くも周囲の賑わいに一層花を添える存在となっている。
 オーナーの藤井さんはトレンタでデザートを一手に引き受けていた元社員で、「トレンタのデザートは美味しい」との評判を生んだほどの腕の持ち主。その藤井さんが独立するということで、実はオープン前からトレンタのデザートファンから熱い期待を寄せられていた。しかし、「特別な オレンジオーブン 勉強をしてきたわけではないんです。ただ、お菓子を作るのが大好きで、それだけでここまで来てしまいました」と、はにかんだ様子でゆっくり話す藤井さんからは、前評判という重圧を背負いながら情熱で突き進んできたスゴ腕職人、という印象は微塵も感じられない。
 当店では、ショートケーキやシュークリーム、プリンなどの定番商品のほか、季節限定メニューなど常時15〜20種類のケーキや焼き菓子 を置く。「新鮮でシンプルなケーキ」をコンセプトに、卵や牛乳などはこだわりのものを使用しており、デコレーションを極力控えめにすることで素材の味 オレンジオーブン がしっかり感じられるように仕上げているが、価格はほとんどが300円以下と手づくりとは思えないほどの安さ。しかし、パッケージなどはデザイン性を重視、かわいらしいラッピングにもこだわっているということで、プレゼントなどにもお勧めだ。
 イートインはできないが、トレンタ全店にも卸しているので、今までどおりトレンタでも藤井さんのケーキを味わうことができる。近々HPの開設も予定しており、ネット販売も視野に入れている様子。しかし当面は『オレンジオーブン』の名を全県に浸透させるべく奮闘するつもりとのことだ。待ちに待った春、オレンジオーブンのお菓子で口の中にもめいっぱい春を感じてみたい。

有限会社住まい工房S
有限会社住まい工房S  心の豊かさが求められる時代、あるいは高齢化社会と唱われて久しい昨今であるが、こうした時代にフィットした新進の住居空間デザイナーが秋田市で活躍中である。
 あえて住居空間デザイナーと呼ぶには理由がある。もともと1級建築士の資格を持つ土田さんは、数々の住居づくりに設計という側面から携わっているが、彼女はほかにインテリアコーディネーター、エクステリアプランナー、福祉住環境コーディネーターの資格を同時に有しているのである。これらの資格を融合させながら、顧客が求める様々なニーズに対応するという土田さんのスタイルは、まさに住居空間のデザイナーであり、住まいを、 有限会社住まい工房S 彩る演出家なのである。「心地よい住まいづくり、住んでいて楽しくなるような住まいの提供を心がけています。また、バリアフリーの設計も心がけています」。まさに女性ならではの仕事への取り組みかたであるが、こうした住まいの演出家としての思いが口コミで広がり、今までに手がけたクライアントは喫茶店・美容室といった女性経営者が中心であり、いずれも斬新で暖かみのあるデザインのインテリアとなっているのが特徴である。
 土田さんはほかにも、ファイナンシャルプランナー、生け花教授、洋裁や書道といった資格を有しており、こういった多才多芸を活かした「暮らしのインテリアセミナー」を定期的に開催している。家の中を明るく、楽しくするノウハウを生け花など通じて伝えて、好評を博している。
 「仕事については、まだまだ下請けが中心です。仕事が途切れることはありませんが、これからは、セミナー開催の回数を増やすなど、 有限会社住まい工房S 営業にも力を入れて、もっと知名度を上げて、クライアントを増やしていきたいと思っています」。
 住まいの建築やリフォームを考えていても、その道の素人にとって、自らの要望を正確に伝えることはかなり難しい作業だと感じている方も少なくないと思われるが、住まい工房Sには、そうしたユーザーの悩みを取り除く幅広い知識がある。こうした設計会社が存在することは、機能的で使い勝手のよい、それでいて暖かみのある住まい環境を求めている方々にとっては、この上ない朗報である。