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■日本版SOX法
 相次ぐ会計不祥事やコンプライアンスの欠如などを防止するため、米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)に倣って、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を求める日本の法規制が日本版SOX法です。
 昨今、上場企業の不正な財務報告書が問題となっている中、早ければ2008年3月決算期から日本版SOX法が施行される予定です。米国版と比較して、日本版SOX法ではITの利用と統制がより重視されるものと見込まれています。
■内部統制の目的(赤字は日本独自のもの)
 ●業務の有効性及び効率性 ●財務報告の信頼性 ●事業活動に関わる法令等の遵守
 ●資産の保全
■内部統制の要素(赤字は日本独自のもの)
●統制環境 : 組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎となるもの
●リスクの評価と対応 : 組織の目標の達成に影響を与えるすべてのリスクを識別、分析及び評価することによって、当該リスクへの対応を行う一連のプロセス
●統制活動 : 経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続
●情報と伝達 : 必要な情報が組織や関係者相互間に、適切に伝えられることを確保すること
●モニタリング(監視活動) : 内部統制の有効性を継続的に監視及び評価するプロセス
●IT(情報技術)の利用 : 内部統制の他の基本的要素が有効かつ効率的に機能するために、業務に組み込まれている一連のITを活用すること
■日本版SOX法が中小企業に与える影響
 日本版SOX法では、内部統制の基本的要素の6番目に 「ITの活用」 が盛り込まれ、ITによる内部統制の重要性が強調されています。これは経営者、取締役、監査人といった内部監査の中心になる役職者のITに関する理解が未熟であるケースが多いことに起因しています。これに併せ、上場企業においては基幹システムの見直しが急ピッチで進められています。一方これらの要求を満たすシステムは、大規模で高価なものが殆どであり、法律の対象外である中小企業が、同時期に検討する必要はないものと考えられます。
 しかしながら、個人情報保護法に対する中小企業の取り組み姿勢や、取引先である大企業による一層の基幹システム活用は、受発注等を通じて中小企業へ伝播してゆく可能性は極めて高いと考えられます。
 内部統制とは、言い換えますと「標準化」や「手順化」でのことであり、「活動の透明性を確保」することです。これまでベテランの担当者が、長年の経験や勘でこなしていた業務処理を誰でもできるように標準化し、経営陣がそれをいつでも自由に閲覧できるようにすることは、迅速かつスムーズな経営判断を行う為に必要なことですから、本件を期に社内のルールや管理体制を考えてみては如何でしょうか?

※参考Web「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(公開草案)」
 http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/singi/f-20050713-2/01.pdf

リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図 リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図 リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図
リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図 リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図 リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図
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