3D-CADを活用した階段作りの特徴
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同社の階段製作は、独自の3D-CADシステムで、複雑な形状のものでも容易に、見た目にも分かりやすい立体的なデータを作成し、型紙や原寸を作成せずにダイレクトに製造できるというのが最大の特徴だ。システムを最大限に生かせるのは、鋼製階段の中でも螺旋や曲がり階段など、カーブが多く微妙なねじれが入るものや、最近首都圏などを中心に見られる斬新で複雑な形状の構造物などに使用するような極めて難しい階段の設計・製作である。螺旋階段は大型のものになると、支えのパイプ部分が大型になり、曲げが困難になることや微妙なねじれをきちんと計算することが必要になるなど複雑で、平面設計では対応できない部分がある。新しい3Dシステムを導入できたことで、今まで以上に難しい形状のものがコンピューター上で作り上げられ、ダイレクトにレーザー加工で製品が加工され、製品として仕上がっていく。
石垣社長は、「3Dで作成した階段をWEB上で様々な角度から誰でも立体的に見ることができるようにしたものは他には無いので是非見てもらいたい」という。 |
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補助事業を活用しシステム導入
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平成14年度に導入した新しい3D−CADシステムは平成6年に導入したシステムを進化させた独自のシステムで、“もっと難しい階段を安価で提供したい、色々な顧客の思いを形にしたい、作った階段を見てもらいたい”という石垣社長の強い思いが実現したものだ。導入にあたっては、ITを活用した経営革新を行おうとする企業に助成する、県の「IT活用型基盤強化事業」を利用できたことに大きな意味があったという。単に補助事業が利用できたということではなく、補助事業の申請書作成や審査におけるプレゼンテーションを初めて経験し、自らの勉強にもなり、IT活用を経営戦略という視点で改めて見直すキッカケになったという。 |
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次の改革は
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CAD部門のほか、設備は昨年度最新鋭のレーザー加工機を導入するなど一連の生産体制はある程度出来あがった。次は、生産現場と直結した会計・原価管理システムの構築を検討中で、原価管理を徹底し、よりスピーディに安価な見積を顧客に提供するためのシステム作りにチャレンジしているところである。
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難しい階段作り世界一を目指して
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首都圏などの有名ビルや公共施設の階段も数多く手がけるなど、階段屋としての地位を確立した当社への受注は、同業者からのものも多いという。石垣社長は、「良い仕事は次の仕事を呼び、さらに次につながっていく。顧客に喜ばれ、自らも満足できる階段を作りたいという思いが強い。顧客満足度100%では物足りない。満足度120%、感動を与えるような難しい階段作り世界一を目指しているのだ」と。
あくなきチャレンジ精神を強く持つ石垣社長の改革はまだまだこれからである。 |
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当社の経営方針は、「信頼のできる人間を作り、仕事を通じて社会に貢献すること」。最良の仕事の積み重ねが信頼の和を広げ、顧客にも家族にも喜ばれ、自らの自信と会社の発展につながるという考えだ。人材が会社発展の鍵であると位置づけている石垣社長は、人材育成に向けても、新しい試みを行おうと考えているところだ。
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