タイトル-ITコラム
サーバーベースコンピューティング(SBC)のご紹介

 90年代初め頃から、オープン化・ネットワーク化・ダウンサイジング等により、クライアント・サーバーシステム(以下C/Sシステム)が普及してきました。多くの企業の皆様も導入されていることと思います。C/Sシステムへのニーズ(期待度)はこれからも多大であることは間違いありません。しかし、クライアント数の増加、クライアントの製品寿命が短くなってきていることに伴うソフトウェアのバージョン不整合等から、コストの増加や運用管理の難しさがクローズアップされています。

 一方、「サーバーベースコンピューティング(以下SBC)」は90年代半ば頃から登場し始めました。C/Sシステムはサーバーとクライアント上でそれぞれアプリケーションが実行されますが、SBCは、C/Sシステムの形態でありながらアプリケーションとデータはサーバー上で集中管理するシステム【アプリケーションはサーバー上で実行され、クライアントのマウスとキーボード情報をサーバーに送り、サーバーの画像情報をクライアントで表示するシステム】の形態を指します。

SBCのメリットを導入事例とあわせてご紹介いたします。

導入前
拠点ごとにサーバーを設置し、C/Sシステムを構築
※ 改善事項
1. 管理コストを抑える
 (1人1台によるクライアント数の増加、クライアント製品寿命が短いことによるコスト増加等が課題)
2.分散しているデータの一元管理を行う
導入後
データセンター(委託)にサーバーを設置、VPN(仮想プライベートネットワーク)によるネットワークを構築、また現ソフト資産「C/Sシステム」をCitrix社の Presentation Server(旧:メタフレーム)を使用しSBCシステムを構築
※導入メリット
1.コスト
クライアントはシンクライアントを採用できるので、導入コストや維持管理コストが削減できる。
2.アプリケーションの一括管理
アプリケーションはサーバー上にだけ存在するため、クライアント毎のアプリケーションのインストール及びアップデートなどの作業が発生しない。 3.データの一元管理
安価で高速なVPN(仮想プライベートネットワーク)によるネットワーク及び、Citrix社のPresentationServer(旧:メタフレーム)の採用による既存ソフト資産「C/Sシステム」の継続使用によって、分散していたデータの一元管理が低コストで実現される。
4.セキュリティ管理
コンピュータウイルスや不正コピーといったセキュリティ管理が容易になる。
5.エンドユーザーサポート
管理者(サーバー)からクライアントの画面を操作することができるため、管理が容易になり時間短縮も図られる。
6.クライアントとネットワーク切断
別のクライアントからでも、自分のユーザーIDを使ってアプリケーションやデータにアクセスができる。この場合には同じアプリケーションが動作するので、固定端末を意識する必要もない。また、ネットワークが切断された場合でもセッションを継続しているため、再接続でき安心してアプリケーションを利用することが可能である。

 この事例では、管理コストの低減もさることながら、データの一元管理によってはるかに向上した「リアル性の高い情報の提供とその活用」が大きなポイントです。
 また、この仕組みを利用することにより、場所を選ばずに社外からのアクセスも可能になります。今後のシステム構築においては、このような「サーバーベースコンピューティング」も一選択肢としてご検討されてはいかがでしょうか。