秋田市河辺和田の国道13号線脇に「たまごの樹」という名前の瀟洒な店がある。この店は、同地区の瀧田養鶏場が直営するもので、新鮮卵とその卵をたっぷりと使った菓子類を中心に販売しており、地元をはじめ近隣の消費者から好評を得ている。 平成16年10月に、この「たまごの樹」をオープンさせた瀧田 稔 代表にお話を伺った。
直営店「たまごの樹」をオープンして3年目となりましたが、お陰様で順調に売上げを伸ばすことが出来ています。オープンに当たり私なりに営業業績の目標を立てたのですが、オープン1年目で3年目に上げようとしていた目標をクリア出来ましたし、3年目だけでも約40%増の業績を上げられるようになりました。私どものコンセプトを、地域の皆様をはじめとする多くの方々に理解していただけた賜と感謝しているところです。 現在、当社の飼養規模は約3万羽で、家族的経営の限度とも考えられる規模ですが、県内でも最大規模の養鶏場は約40万羽の飼養を行っており、規模のメリットを発揮するという面からは太刀打ちできません。経営者として何もしないで黙っていれば淘汰されることは必至であり、そこで生き残るためにはどうするかということを真剣に悩み考えざるを得ませんでした。小規模養鶏場だからこそやらねばならないこと、出来ることが必ずある、との思いで考えついたのが、新鮮卵と卵菓子類の直営販売という、これまでの養鶏場経営から一歩踏み出した事業展開だったわけです。 卵の販売といえば、スーパー等では安売りの目玉にもなり、市場価格に大きく左右される定番商品になっています。これらと差別化した卵の販売、新たな消費者市場を開拓する必要があったのです。このため、「鶏にこだわりの飼料を与えることで生み出される安全・安心な新鮮卵の開発」、「その卵を使った高付加価値加工品の開発」、「問屋を経由しない、消費者への市場価格に左右されない定価直売」の3つのコンセプトで考えました。その結果が、「24時間以内に新鮮な卵をお届けする」、「たまご菓子の開発と販売」、「そのための直営店の開設」でした。 しかし、その中でも「たまご菓子の開発と販売」は素人にしてみれば難しいことでした。家内や長男に相談したところ、一緒にやってみようということになり、卵菓子の開発と販売を担当してもらうことになりました。折良く私の考えていることを既に展開している会社が群馬県にあることが分かりましたので、早々に研修に行って、シュークリームとプリンの製造技術を学んできてもらいました。 そして「たまごの樹」をオープンするに当たっては、卵屋らしく普通品の2倍の卵黄を使用したこのシュークリームとプリンをメインにすることにしました。この際には、地元で販売し地元の人を中心に買ってもらわないと商売としてもうまくいかないだろうと、私や家内の友人・知人に集まってもらい、味や食感などの風味について率直な意見をもらうためのモニター会を開くなどして商品を鍛えました。そのお陰で、自信を持って販売できる商品を開発することが出来ました。商品アイテム数が増えた今でも、売れ筋の定番は新鮮卵を除くとこの二つです。 今後の展開ですが、現在、鶏卵の販売については知人の会社のホームページを通してインターネットでも行っておりますが、今後は新鮮卵の情報提供と販売を見据えて自社でインターネット販売のサイトを立ち上げるなど検討しているところです。 今後とも「たまごの樹」をよろしくご支援、ご愛顧を賜りますようお願いいたします。 |
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