タイトル-特集2
企業立地を通じた地域産業の活性化に向けて/秋田県における企業立地促進法(企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律)の活用
 「企業立地促進法」は、平成19年通常国会に提出され、4月27日に成立、6月11日に施行されました。本法は、産業集積が地域経済の活性化に重要な役割を果たしている点から、企業立地の促進等による産業集積の形成や活性化を目指し、地方公共団体が行う主体的で計画的な取組を効果的に支援する目的で制定されました。
 本法は、「工業再配置促進法」(H18.4廃止)、「地域産業集積活性化法」(H19.6廃止)等の後継法として制定されたものですが、比較的自由に区域や業種を定め、地域が持つ強みや特性を生かした独自の計画を策定できることが特徴となっています。
 また、本法は地域格差の是正が制度中に組み込まれており、財政力指数等が一定の基準を超える自治体には活用できる制度や支援事業に一部制限が設けられています。
 全国的に企業立地や設備投資への意欲が旺盛な中、本法をどのように活用していくかは、今後の本県産業の活性化にとっても重要なことと考えられます。

1 法律活用の流れ
1 はじめに 国が策定する@基本方針に基づき、都道府県と市町村がA地域産業活性化協議会の議を経て、B基本計画を策定し、主務大臣に協議して同意を得ることができます。
 基本計画に基づいて実施する事業については、一定の支援措置が受けられます。
 また、事業者は、企業立地又は事業高度化を行う場合、それぞれC企業立地計画D事業高度化計画を作成し、都道府県知事に対して承認申請をすることができ、当該計画に基づいて各種支援措置が受けられます。

C企業立地計画…基本計画に定められた区域において企業立地を行う計画。
D事業高度化計画…基本計画に定められた区域において新商品の開発等事業高度化を行う計画。

2 本法による戦略的企業立地のためのプロセス別支援
PROCESS1 準備段階
基本計画を作成する 地域の企業立地のための取組を宣言し、地域の強みや特性を生かした地域にふさわしい企業の集積を図るための基本計画を策定する。
この段階での支援策
■地域産業活性化協議会活動支援事業 地域産業活性化協議会の事務局費、調査費等の補助 補助率2/3

PROCESS2 実行段階
事業環境を整備する インフラや人材育成等の企業ニーズに沿った事業環境の整備。
この段階での支援策
■産業立地支援事業 企業誘致等の専門家を活用した誘致活動に必要な謝金、旅費等に対する補助 補助率2/3
■人材養成等支援事業 誘致対象企業のニーズを踏まえ、新規立地につながる人材養成、セミナーのプログラム作成経費等の補助 補助率10/10
■地域企業立地促進等共用施設整備費補助金 共同利用の貸工場、人材育成施設、物流施設等を整備する際の補助 補助率1/2

PROCESS3 フォローアップ
立地後のアフターケア 立地企業に対する、企業の目線に立った適切な行政サービスの提供。
この段階での支援策
■立地産業人材育成支援事業 同意集積区域で企業立地計画の承認を受けた企業が新規採用した社員等の研修を実施するための経費の補助 補助率2/3
■技術開発支援 大学等のシーズを活用した産学官共同研究体制(コンソーシアム)などによる研究開発を支援。

その他の支援
■企業立地促進税制 同意集積区域で企業立地計画の承認を受けた企業は特別償却制度を活用できる。機械等15%、建物等8%
■地方税減免に対する減収補填措置 固定資産税、不動産取得税を減免した自治体に対し、減収分の75%を地方交付税で補填
■立地企業支援のための経費に対する特別交付税措置

3 秋田県における活用と今後の予定
 本県では、早くから本法の活用を目指して県南・県央地域(秋田市、横手市、湯沢市、由利本荘市、大仙市、にかほ市、羽後町)の電子・輸送機関連産業集積区域の基本計画の策定に取り組みました。地域産業活性化協議会を平成19年6月26日に設立し、当協議会の議を経て、7月13日に国に協議、同月30日に全国の他の9県とともに第1号同意を受けました。
 今後は、県北部地域を中心に、資源リサイクル・医療関連産業及び木材関連産業についても基本計画を策定し、国による同意を目指すこととしており、10月頃までに計画の同意を得られるよう、県と各市町村が協議を行っているところです。
お問い合わせ先
秋田県産業経済労働部 商工業振興課 新産業班
〒010-8572  秋田市山王4丁目1-1 TEL.018-860-2241  FAX.018-860-3887
(2007年9月 vol.314)

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