タイトル-ITコラム
Web2.0とマーケティング Profile:(株)アキタ電子システム 沢井 良一Web2.0とマーケティング

 本誌2007年7月Vol.312では、ITコーディネータの菅原氏が「2.0」について解説していましたが、今回はそれに続いてWeb2.0について紹介します。

 Web2.0は大きく次の7つの要素からなっています。
@利用者参加コンテンツ生成・開発
 Participation
A端末画面の高機能
 Rich user Experiences
B深い信頼関係
 Radical Trust
C利用者側のコンテンツ分類
 Folksonomy
D利用者の評価
 User as contributor
E少数派の価値
 Long tail
F本質的分散化
 Radical Decentralization

 これらの要素が単独またはお互いに連携して新たなサービスが生まれています。
 AはGoogleマップのようなAjax(Asynchronous JavaScript+XML)という対話型Webアプリケーションがあり、@はブログやmixiのようなソーシャルネットワークがあります。これが連携してより情報発信しやすい環境ができています。
 BとCはWikiやはてなブックマークなどインターネットの集合知の創出に役立っています。
 DとEはamazon.comや口コミサイトのようなロングテールや利用者の評価が新たなマーケットを作りだしています。

 Web2.0とは、まとめると次のようになります。
特定の技術のことではない
インターネットの理想と現実のギャップが埋まりつつある状態を示しているに過ぎない
 インターネットの理想とは、たとえば、次のようになります。
利用者がイニシアティブを取れる
あらゆるデータを同時に、多くの人と共有できるネットワーク
希望者が自由に参加でき、小さな貢献が正しく評価される
モラルが守られる
常に改善され続けるサービス

 これらの技術と新たな可能性を秘めたWeb2.0を企業に利用しようというのがEnterprise2.0と呼ばれているものです。メインフレームによる中央集中処理からクライアント・サーバによる分散化、そしてWebベースのイントラネットと企業のIT環境も変化してきましたが、Web2.0により企業内のソーシャルネットワークによる集合知の活用、利用者や少数派の価値の取り込みによるロングテールマーケットの創出、さらには高度な情報発信などが考えられています。

 2008年1月末には、インターネット上の技術発達に伴うビジネスシーンの変化に対応するための最新技術として以下のセミナーが開催される予定です。

■「Web2.0〜なにが注目されているのか〜」
 昨今の流行語ともいえる「Web2.0」とは何なのか、ビジネスにどのような変革をもたらすのか、今後どのように発展して行くのか等、最新のインターネット技術について、Web2.0を牽引する立場にある最先端技術者がわかりやすく解説します。
日時:平成20年1月28日(月)10:00〜16:40
会場:秋田県産業技術総合研究センター
   工業技術センター第1研修室
募集人数:20名

■「Webマーケティング〜その考え方〜」
 従来のマーケティング手法の利点を活かし、また欠点を補い利点に変化させるために、インターネットをフル活用したマーケティング手法(Webマーケティング)の考え方を解説します。参加者はワークショップ形式で擬似的なWebマーケティングを体験した上で、おのおののビジネスへの展開に対する気付きを得ることを目指します。
日時:平成20年1月29日(火)〜1月31日(木)
   [3日間]10:00〜16:30
会場:秋田県産業技術総合研究センター
   工業技術センター第1研修室
募集人数:20名
 両セミナーとも講師は、前シックスアパート執行役、現ブックオフオンライン社外取締役河野武氏(http://smashmedia.jp/)の予定です。
※お申込みは、(社)秋田県情報産業協会(藤原)TEL・FAX018-862-9820まで


 新しい年のはじめ、私たちのバージョンも、初期のバージョン1.0から次の2.0へステップアップしましょう。

Web2.0の代表サービス例

  
(2008年1月 vol.318)