プリザーブドフラワーという言葉をご存じだろうか。直訳すれば「保存花」という意味で、20年ほど前にフランスで開発された花の保存技術が基本になっており、記念品や贈り物、ウェディングブーケなどで花を長期に渡って楽しめるようにするというものである。
有限会社フラワートでは、この生産技術に同社独自の工夫(特許申請中)を加え、これまでのものに比べ限りなく生花に近い柔らかい質感と色合いを持たせることに成功し、世界中から注目を浴びている。同社代表取締役の嶋真紀子氏にお話を伺った。
プリザーブドフラワーは、15年ほど前から日本にも輸入されるようになり、特に、ここ5年くらいは国内の花卉農園が生産に取り組むなどで、広く普及しています。秋田では認知度が低いかもしれませんが首都圏等では高い認知度があります。
当社でも5年ほど前から独自の技術を確立して生産できないかと取り組んだのですが、なかなか達成が難しい状況にありました。このため、県立大学や秋田大学、更には、あきた企業活性化センターや県工業技術センター、県総合食品研究所等の専門家からアドバイスをいただきました。お陰で生産技術を確立させることが出来たのです。
これまで、プリザーブドフラワーといえばバラの花がほとんどでした。これは、バラの花が肉質が厚くて形が崩れないという特徴からです。また、商品は、生花とドライフラワーの中間的な質感で、色もくすみがちでした。これを限りなく生花に近い状態に作り上げることが可能になりました。当社の技術では、バラに限らずラナンキュラス、トルコキキョウ、ダリア、チューリップからシダ等の葉物類まで幅広く対応出来ています。
本格的に生産に向けて行動を開始したのは平成16年ですが、平成19年10月に技術の特許を申請するまでに至りましたので、これを契機に本格的に「フィオリエンテ」のブランドで販売展開しています。このブランドは、業界関係者の間では十分に認知していただいており、受注に追いつけず出荷待ちの状況が続いています。また、営業展開の一つとして、千葉県の幕張メッセで開催される国際フラワーEXPOに3年連続で出展しているのですが、当社の技術を高く評価していただき、国内はもとより世界各国の花卉生産農園等から技術供与の申し出を受けました。
全ての商品を自社だけで作ることは困難なので提携先が必要でしたので、まずは縁者の伝手があった台湾の農園企業と提携しました。これにより、生産工場を持つことが出来たのです。また、タイや中国の農園企業とも提携途上にあるほか、ヨーロッパの方からもお話をいただいています。
こうして海外の生産工場を持つ一方、秋田で生産するということにもこだわりがあります。私は長年花々と連れ添ってきて、全国各地を見ていてよく分かるのですが、秋田の花は非常にクオリティが高いということです。地元秋田の方々はこのことを良く知らないのではないでしょうか。その意味でも、秋田という環境から、花で世界を相手に勝負が出来るという自信がありますし、特に高級ブランド品は秋田で生産していきたいですね。そのためにも、いよいよ県内にも生産加工拠点を持つことにしました。羽後町と大潟村の栽培者と受委託契約が出来ています。葉っぱにわずかな傷があるなどで生花として商品にならず、捨てられていた花に商品価値を生み出させることが可能になりますので、栽培者の安定経営に大きく寄与できるものと思います。
このプリザーブドフラワーは、世界中にお客様がいます。アジア各国で生産した自社ブランドの商品を世界に向けて発送していきたい。今は何処にいても世界が見える時代です。もちろん秋田にいてもです。世界を見据えて頑張っていきたいですね。応援をお願いいたします。 |
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