タイトル-ビジネスレーダー
ツーブランドを目指して! 専務取締役 佐賀 善美さん
秋田ファイブワン工業
株式会社

〒010-0975
秋田市八橋字下八橋191-29
TEL.018-862-5141
FAX.018-862-5288
 
 “真心を込めた製品作り”をモットーに多品種小ロットの高級ブランド品の製造をしている秋田ファイブワン工業株式会社、そのものづくりに対するこだわり等について専務取締役佐賀善美氏にお話を伺った。

 秋田ファイブワン工業株式会社は、紳士服・婦人服の上物を中心に感度の高い商品、そして素材感を活かしたジャケット・コート等を製造している会社で、昭和48年2月、秋田県の誘致工場として創業された。
 同社では、人間性を重視した工場を目指しており、特に働きやすい環境整備のため、自己啓発による工夫改善を推奨し、真心を込めた製品作りを目指しているという。

 昨今は市場のグローバル化に伴い、あらゆる業界が中国・インド等に生産をシフトしている中、この業界は機械化・電子化の難しい労働集約型の産業で、まさに労務費のウエイトが経営を左右することになる。とりわけ中国などは労務費が日本の10分の1以下である。そこで国内製造の活路を見出すため、メーカーへの納品期間の短縮が可能であること、製品が売れた際の追加フォローへの対応が可能であること、高いクオリティなどのメリットを高め、それらの面では十分に自信を持っていると佐賀専務は言う。

 人材の育成について、同社では多品種小ロット生産をしており、1ロット平均150着程度で、毎日のように段取り替えが行われております。いかにロス無く、切り替えを良くやれるかが生産効率を上げるポイントとなっている。そのため、常に工夫改善について考えなければならず、自ら思考できる人材の育成が不可欠となっている。平成19年7月に、社内体質の改善、生産管理機能の強化等を図るため、あきた企業活性化センターで行っている「あきたシナジレ・カンパニープロジェクト事業」に申請し、課題解決のため専門家を招き、生産性向上に結びつける支援を受けている。

 また、洋服作りには奥深いものがあり、着易い服作り、くせ処理にはただ縫うだけでなく、「感性」と「技術」が必要となる。たとえば、素材によっても扱いが違い、その素材の特性を活かすには経験が必要となる。ノウハウを持っていても作る人がおざなりにしたら、服も悪いものになってしまう。着る人への感謝の心を持ってものづくりをすることによって味のある服が出来てくる。

TWO BRAND
 現在、市場に流通している商品には「Made in Japan」という製造国と販売メーカー及び「ブランド」名が表示されている。しかし、佐賀専務は、ブランド名の表示の他に、「当社の製品には「Made in 秋田ファイブワン=Afiveoneを表示させたい」という。製造社名まで表示させることにより、製造工場名を明らかにして、工場ブランド力を高めてゆきたいということだ。
 
タイトル-ビジネスレーダー
秋田から世界を見据えて頑張りたい 代表取締役 嶋 真紀子さん 常務 柴田尚紀さん
有限会社フラワート
〒018-1301
由利本荘市岩城内道川字新鶴潟84
TEL.0184-73-3457
FAX.0184-73-3466
URL http://www.f-works.net
E-Mail grace-f@cocoa.plala.or.jp
  
 プリザーブドフラワーという言葉をご存じだろうか。直訳すれば「保存花」という意味で、20年ほど前にフランスで開発された花の保存技術が基本になっており、記念品や贈り物、ウェディングブーケなどで花を長期に渡って楽しめるようにするというものである。

 有限会社フラワートでは、この生産技術に同社独自の工夫(特許申請中)を加え、これまでのものに比べ限りなく生花に近い柔らかい質感と色合いを持たせることに成功し、世界中から注目を浴びている。同社代表取締役の嶋真紀子氏にお話を伺った。

 プリザーブドフラワーは、15年ほど前から日本にも輸入されるようになり、特に、ここ5年くらいは国内の花卉農園が生産に取り組むなどで、広く普及しています。秋田では認知度が低いかもしれませんが首都圏等では高い認知度があります。

 当社でも5年ほど前から独自の技術を確立して生産できないかと取り組んだのですが、なかなか達成が難しい状況にありました。このため、県立大学や秋田大学、更には、あきた企業活性化センターや県工業技術センター、県総合食品研究所等の専門家からアドバイスをいただきました。お陰で生産技術を確立させることが出来たのです。

 これまで、プリザーブドフラワーといえばバラの花がほとんどでした。これは、バラの花が肉質が厚くて形が崩れないという特徴からです。また、商品は、生花とドライフラワーの中間的な質感で、色もくすみがちでした。これを限りなく生花に近い状態に作り上げることが可能になりました。当社の技術では、バラに限らずラナンキュラス、トルコキキョウ、ダリア、チューリップからシダ等の葉物類まで幅広く対応出来ています。

 本格的に生産に向けて行動を開始したのは平成16年ですが、平成19年10月に技術の特許を申請するまでに至りましたので、これを契機に本格的に「フィオリエンテ」のブランドで販売展開しています。このブランドは、業界関係者の間では十分に認知していただいており、受注に追いつけず出荷待ちの状況が続いています。また、営業展開の一つとして、千葉県の幕張メッセで開催される国際フラワーEXPOに3年連続で出展しているのですが、当社の技術を高く評価していただき、国内はもとより世界各国の花卉生産農園等から技術供与の申し出を受けました。

 全ての商品を自社だけで作ることは困難なので提携先が必要でしたので、まずは縁者の伝手があった台湾の農園企業と提携しました。これにより、生産工場を持つことが出来たのです。また、タイや中国の農園企業とも提携途上にあるほか、ヨーロッパの方からもお話をいただいています。

 こうして海外の生産工場を持つ一方、秋田で生産するということにもこだわりがあります。私は長年花々と連れ添ってきて、全国各地を見ていてよく分かるのですが、秋田の花は非常にクオリティが高いということです。地元秋田の方々はこのことを良く知らないのではないでしょうか。その意味でも、秋田という環境から、花で世界を相手に勝負が出来るという自信がありますし、特に高級ブランド品は秋田で生産していきたいですね。そのためにも、いよいよ県内にも生産加工拠点を持つことにしました。羽後町と大潟村の栽培者と受委託契約が出来ています。葉っぱにわずかな傷があるなどで生花として商品にならず、捨てられていた花に商品価値を生み出させることが可能になりますので、栽培者の安定経営に大きく寄与できるものと思います。

 このプリザーブドフラワーは、世界中にお客様がいます。アジア各国で生産した自社ブランドの商品を世界に向けて発送していきたい。今は何処にいても世界が見える時代です。もちろん秋田にいてもです。世界を見据えて頑張っていきたいですね。応援をお願いいたします。
フィオリエンテ事業部
〒101-0047 東京都千代田区内神田3-5-1 大蓄ビル2F REN BASE-UK内
TEL.03-3253-9851
FAX.03-3253-6356


 
(2008年4月 vol.321)