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洋菓子の店 パティスリー城

 秋田市卸町に元気なケーキ屋さんがある。その名も“パティスリー城”。気さくな笑顔の洋菓子職人、高橋城さんの名を冠して平成19年12月に開店した洋菓子店だ。
 大きくはない店内に、次から次へと客が訪れ、ガラスケースに並ぶケーキやプディング、シュークリーム、バースデーケーキを指差して、白い箱を嬉しそうに受け取る。どの顔も、スイーツを選ぶ楽しさや、おいしいお菓子を誰かに持ち帰る喜びでほころんでいる。
 「菓子職人を続けてきて、いつかは独立できたら、と思っていました。長らく勤めていた洋菓子店の社長が背中を押してくれて独立を決めました。大きさが気に入って決めた今の店舗は、お車で右折していらっしゃるお客様には不便かと心配しましたが、駐車スペースを確保できているお陰かそれほどネックにならず、何度も来てくださるお客様も多く、また、遠方からも来ていただいているようで本当にありがたいです。」
 高橋さんは創業に当たって、当センターが県内で新たに事業を始める方を対象に創業に掛かる費用を最高200万円まで補助する「創業支援補助金」を利用した。創業計画から現在の店舗運営まで、高橋さんと一緒にやってきた夫人の高橋統子さんは、「補助金の申請書類を作るのは慣れないことで大変でしたが、書いてみることで、事業や資金の現状・計画・先行きが明確になり、準備の役に立ちました。センターの方々からのアドバイスも参考になりました」と話してくれた。
 “パティスリー城”は、高橋さん夫妻が、販売を担当する従業員らとともに心を込めて洋菓子を顧客に届けるお店。「皆様の身近にある、おいしい洋菓子店でありたい」という言葉の通り、丁寧にデコレートされた商品は、どれも比較的手ごろな価格設定だ。店名にちなんだふわふわスポンジの“とく城ロール”一本940円、こだわりのバターが香るパイ“男のアップル”240円、ケーキ類は1ピース300円前後が中心。原材料や燃料の価格が上がる中、この価格で商品を提供できるのは、高橋さん達の日々の努力があってこそだろう。
 「自分の店ですから、勤めていた時とは責任の重さもまったく違います。季節商品をしっかり出したいとか、手の込んだケーキ類を増やしたいとか、やらなければと思っていることは沢山あります。それに、まずは味です。毎日の菓子づくりを丁寧にやって、おいしいと言っていただける商品をお届けし続けなければと思います。四六時中、店のことを考えている状態で大変なんですけど、ただ、オーナーとしての責任が増えた分、お客様がうちの洋菓子を求めてくださることの喜びはひとしおですね」。小さな白い洋菓子店では、今日もせっせと洋菓子をつくる。

 CORPORATION DATA

洋菓子の店 パティスリー城
〒010-0061 秋田市卸町4-2-9 
TEL・FAX.018-867-2239
営業時間/午前10時〜午後7時 
定休日/水曜日


(2008年5月 vol.322)


株式会社 トーヨー

 「こんな機械があったら、もっと作業効率が上がるのに・・・」といった企業が抱える省力化や効率化といった悩みを解消するため、独自のアイデアとノウハウにより作業機械の開発を行っている企業の存在を皆さんはご存じだろうか。
 株式会社トーヨーの代表取締役 鎌田均さんは、これまでに「炭火焼ききりたんぽ焼き装置」や「生酒用ボトルラベラー」、「稲庭うどんプレス装置」といった食品関連の装置を中心に
20種類以上もの機械装置を次々と開発してきた。
 その中のひとつである乾麺自動包装機械は、これまで人手で行っていた袋詰めの作業を、ベルトコンベアで回転するトレーに乾麺を載せるだけで、乾麺を平らに整え、自動供給される包装袋へトレーから押し出して袋詰めする機械だ。袋詰めされたものは、中の空気が抜かれて閉じられ、消費期限等の日付が印字される。
 これには、同社が確立したエアコンプレッサーの利用による自動袋詰め作業の技術が応用されている。この技術は他の包装機械にも取り入れられており、作業の省力化や生産量の向上だけではなく、袋詰め前の食品に人が介在する工程を少なくすることにより、衛生面の安全性を向上させた。
 「同様の機械は大手メーカーでも販売しておりますが、大型タイプで高額なものとなっております。当社は、大型タイプの機械ほどの能力を必要としないお客様にも、それぞれのニーズに合わせ、必要十分な能力を持った機械を提供することによって、コストと使い易さを重視した大手メーカーでは手を出さないような隙間産業に取り組んでおります。それゆえに、ご相談をいただいたお客様のご要望をじっくりと伺い、必要としているものは何かを見極め、アイデアとノウハウの詰まった『かゆいところに手の届く製品』の開発に努めております。今後も、当社の開発した機械で、地元企業の皆様を作業の省力化・効率化といった面でサポートして行きたいと考えております。また、当社をご存じない方には是非知っていただき、抱えているお悩みや、こんな道具が欲しいといったご要望をお話いただき、問題解決のお手伝いをさせていただきたいと思っております」と話す鎌田さん。
 「もっと効率化を図りたい」「こんな道具があったら便利なのに・・・」といったお悩みやアイデアをお持ちの方は、一度相談されてみてはいかがだろうか。

 CORPORATION DATA

株式会社 トーヨー
〒010-0802 秋田市外旭川字三後田76-4 
TEL.018-868-5673 FAX.018-868-5683
http://www.toyo-akita.jp
E-mail info@toyo-akita.jp


(2008年6月 vol.323)
 
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