ビジネスレーダー

大信太工業株式会社

 型枠工事を中心に、建設業を営む大信太工業株式会社。工事現場から発生するコンパネや桟木などの廃材は産業廃棄物として扱われるため、以前は焼却により処分していた。地球温暖化といった環境問題への取組が求められるなか、企業としてCO2排出抑制や循環型社会の構築などに寄与するため、3年前から廃材の有効活用について、県立大学木材高度加工研究所と共同研究を行ってきた。幾度とない改良の結果、歩道用路盤材“ECO2ウッドブロック”を開発し、敷設ブロックの製造という新分野への一歩を踏み出した代表取締役 信太研治氏にお話を伺った。
 「これまでの多くの方々からの支援により、“ECO2ウッドブロック”を開発することが出来ました。この製品は、粒子の細かいチップをゴム質系の接着剤で固形化した上層部と、粒子の粗いチップを固形化した下層部の二重構造になっております。上層部と下層部の接合部分に段差をつけることにより噛み合わせ効果が生まれ、ブロックの起き上がり防止や、ブロック間の防草性を高めることができました。また、ゴム質系の接着剤を使用することにより、クッション性にも優れ、歩行時の足への負担が軽減されるほか、万が一の転倒時の衝撃を和らげる効果があります。」
 “ECO2ウッドブロック”は従来のコンクリート製品に比べて格段に軽く、狭い場所や重機の入りにくい場所でも容易に施工作業が出来るのも特徴のひとつ。マンションのベランダや屋上などに敷設することで、夏は照り返しを和らげ、冬は冷気の遮断といった断熱効果が得られる。これにより、無駄なエネルギー消費を抑えることができ、省エネ対策やヒートアイランド現象の抑制も期待できる。能代市内の一般家庭の玄関アプローチや、三種町立山本中学校の校庭などへの施工も行われているが、本格的な事業展開はこれからだそうで、現在、当センター「建設業新展開トライアル活動助成事業」の採択を受け、芝の植生や耐久性の向上試験等を行っており、ビルの屋上緑化などへの用途拡大が期待されている。
 「生産体制の整備等まだまだ解決しなければならない課題もありますが、私どもは現場で発生した廃材を回収し、ただ再利用するだけではなく、製品化したものを現場に戻すことによりゼロエミッション化を推進し、環境対策に少しでも貢献できればと考えております。」と力強く語る信太社長。今後の活躍に注目していきたい。

 CORPORATION DATA

大信太工業株式会社
〒018-2301
山本郡三種町志戸橋字割道442
TEL.0185-83-3888 FAX.0185-83-3933
http://www13.ocn.ne.jp/~ooshida/
E-Mail ooshida@wonder.ocn.ne.jp


(2008年9月 vol.326)


株式会社 里山村

 三種町で全国から屋外広告看板を受注している株式会社浅間製作所が、本格的な野菜類の水気耕栽培システム「アクアファーム」を開発し、新たに“株式会社里山村”を設立した。同社の取り組みについて代表取締役 北林 鉄美 氏にお話を伺った。
 これまでに浅間製作所で培った屋外広告看板を作る技術を活かした、新たなモノづくりに色々と取り組んで来ました。私は、「売り先を地域・秋田にこだわらない、田舎でもどこででも出来る商売をする」を信条とし、大手が参入できないニッチを探してきています。この水気耕栽培システム「アクアファーム」もその一つで、まさに長年チャレンジしてきた成果です。
 アクアファームは、リビングではもちろんのこと、屋外でも、土を使わず水と液肥だけで気楽に野菜を育てることが出来るというもので、LEDを主光源に使い、液肥の入った水溶液中に空気(酸素)を連続供給するシステムで、完全無農薬栽培が可能です。また、省スペース設計でして、本棚程度の室内のわずかなスペースから、屋外の車1台分の駐車スペースまでとサイズバリエーションも豊富です。
 使い道もたくさん想定出来ると思います。室内のみならず、ビルの屋上やベランダでの野菜栽培はその一例でしょう。しかも、その使用目的は、趣味から、長期入院や福祉施設暮らしでの安らぎ・癒しなど多様です。
 本格的に販売PRを開始して間もないのですが、様々な方面からのアプローチをいただいています。中でも特異なのは、ロシア・ウラジオストク市からで、これは、県貿易促進協会による事前のリサーチに資料を持って行っていただいたところ、現地企業から強い要請があったことです。9月16日にウラジオストク市で開催される商談会に参加し、成果を得たいと思っています。
 ところで、当社は、システムの販売に留まらず、アクアファームによるビジネスモデルも構築しました。ビルの屋上を利用した「レンタル菜園」、フードビジネス分野では「育てて、見せて、味わう」観葉野菜の提案、介護サービスと一体になったメンテナンス付きレンタルなどです。このため、現在、私どもと一緒になってアクアファーム事業を展開していただけるビジネスパートナーを募っているところです。当社は、装置の開発製造メーカーですので、この事業では、保証金及び加盟金の類を一切いただかないことにしています。観葉植物のレンタル事業者や外食産業等への各種資材のレンタル事業者の方々などのほか、新規創業・事業展開をお考えの方々にアピールし、アクアファーム事業を共に大きく育てていきたいですね。

 CORPORATION DATA

株式会社里山村/株式会社浅間製作所
山本郡三種町志戸橋字大木台125-5
TEL.0185-72-4551 
FAX.0120-338-870
URL http://www.aqua-farm.com


(2008年9月 vol.326)
 
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