ITコラム

PDCAサイクルを高速回転する

■物指しの設定で経営の見える化を
 PDCAサイクルは、マネジメントサイクルとも言われる経営の原理原則の仕組みです。経営は、このPDCAサイクルを回しながら自社の経営目標や経営ビジョンに向かってP(計画)⇒D(実行)⇒C(チェック)⇒A(対策)と回転させることです。
 このPDCAサイクルを回していく際に重要なことは、計画を立てる段階で明確な目標を設定すると同時に、目標達成までの「スケジュール」と「進展状況を把握する物指し(業績目標・評価指標)」を組み込むことです。日常の経営において重要なことは、目標と現状のギャップを常にチェック(Check)して、ギャップを埋めるための実行項目を洗い出し、優先順位を付けて対策(Action)を展開していくことです。
 目標と現状のギャップをタイムリーに、しかも視覚的に瞬時に把握できるようにすること、すなわち「ギャップの見える化」が大切です。この「ギャップの見える化」に上手にITを活用していくことがIT経営のポイントでもあります。

■チェックで経営力を付ける
 企業経営にはスポーツと同じように「経営力」という「筋肉」が必要です。野球をするには野球に必要な筋肉があるように、テニスを楽しむにはテニスに必要な筋肉を付ける必要があるように、経営を楽しむには経営に必要な筋肉を付ける必要があります。筋肉が付けば経営は楽しくなり楽になります。
 筋肉を効率的に付けるには、チェック段階において、なぜギャップが発生したのか?そのギャップを埋めるためにどのような対策を講じたのか?対策によってどれだけギャップが埋まったのか?をノウハウとして社内に蓄積し、そのノウハウを社員が容易に使えるようにすることです。それがナレッジマネジメントと言われるものです。このノウハウの蓄積が多いほど強い筋肉となります。また、より早く筋肉を付けるためにPDCAサイクルを高速回転させて、このノウハウを社内に蓄積させる仕組みを持つ必要があります。

■ポイントは日々のチェック
 朝礼や終礼を毎日行い目標と実績のギャップを確認していますか?ギャップをグラフ等で示して社員が瞬時に把握できるようしていますか?ギャップを埋める対策の内容とその成果をきちんと記録していますか?蓄積されたノウハウを社員がすぐに使えるようにしていますか?もう一度、確認してみましょう。


(2008年10月 vol.327)

 
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