
 |
“グラパラリーフ”でつくったサラダ |
多くの建設工事関連会社は、公共事業が減少している中で厳しい経営局面を迎えている。特に、公共事業への依存度の高い企業ほど、年間の工事施工に大きな波があり、稼働率も極めて悪いという状況にある。したがって、こうした状況に如何に対処するかが極めて大切であることは言うまでもない。
菊地建設株式会社では、農業を切り口に年間を通じた社員の稼働の平準化とともに、地域の活性化に取り組んでいる。同社代表取締役の 橋本一康氏 にお話を伺った。
当社の工事受注高は、ピーク時の約半分近くまで落ち、まさに厳しい経営を強いられております。また、年間を通しては、年度当初の4〜6月に公共事業の発注が無いことも大きく影響しています。
会社所有の遊休地の活用を図り、社員に年間を通じて頑張ってもらうことを考えたときに、農業関係の新事業を立ち上げるのが良いのではと思いました。平成17年の春頃のことです。社員は100人ほどいるのですが、地域で農業も行っている者が多く、取り組みやすいのではと考えたのです。事実やってみるとそうでした。
 |
|
農業への最初の取組では、縁あって新健康野菜として脚光を浴びているメキシコ原産の“グラパラリーフ”に出逢いました。グラパラリーフはビタミン、ミネラルが豊富で、美容、健康の増進・維持に効果が期待でき、サラダやジュースなどの生食に向く手軽な健康食材です。栽培している方から薦められたこともあって、早速同年9月に100坪規模の農業用パイプハウス3棟を社屋の隣接地に建てました。建設は本業ですから、得意中の得意です。栽培は、苦労はありましたが農業の達人である社員のお陰で生産量も増え、順調に行っています。
平成18年1月には「農業生産法人有限会社あぐり大内」として農業部門を別組織にしました。これは、規模拡大のための農地取得などを勘案してのことです。現在では、春からの余剰労働力を活かせる夏イチゴの栽培まで行っています。
今春からは、約600坪の農地でダリアの花を栽培しています。これは、プリザーブドフラワー(保存花)の生産販売を行っている由利本荘市の(有)フラワートさん(本誌平成20年4月号Vol.321ビジネスレーダー参照)から、栽培と加工のお話しをいただいたことによります。単にダリアを栽培するだけでなく、加工という付加価値生産を伴っていますので、大きなウエイトを持っています。したがって、今後は、栽培面積を3倍程度まで拡大し、「あぐり大内」の大きな柱にしたいですね。既に当社と関係の深い建設工事関係企業の中からも関心を示している企業が現れてきているので、ノウハウを提供して花の生産加工ネットワークを作り、地域の活性化にも繋げていきたいと考えております。
CORPORATION
DATA
菊地建設株式会社/有限会社あぐり大内
〒018-0731 由利本荘市大内三川字三川20
TEL.0184-65-2022 FAX.0184-65-2055
http://www.kikuchi-cons.co.jp
E-mail hiroshi-k@kikuchi-cons.co.jp
|