
由利本荘市の株式会社シャルマンは、食品の企画・開発、流通、マッチング、販路拡大のコンサルタント業務を行っている。在京の大手商社で長らく食品流通に携わってきたフードコンサルタント、伊藤氏が、故郷である由利本荘市に戻り、2008年4月に設立した会社だ。
スーパーや百貨店の食品陳列棚の顔ぶれは、季節、流行に応じて目まぐるしく変わっていく。伊藤氏曰く、「食べ物は、ファッション」。商品が棚に並び、消費者の目に留まり、購入してもらうためには、味や安全性は当然ながら、コンセプト、パッケージ、食材、販路まで、食品業界の流行を的確に捉えて商品化・販売を行う必要があるそうだ。「商品開発は、まず、お客様が何を欲しがっているかを把握することです。安定した販売を継続するためには、マーケティングの発想から商品を作り、食品流通のノウハウを持って取引を進めることです。たとえば、バーコードや目を引くラベル、包装は大前提の一つですよ」。同社は、フードコンサルタントとして培ったノウハウと人脈で、食品メーカーの「売りたいものを、売れるように」総合的に指導・支援する。
その一例が、(株)増田町物産流通センター(上畑温泉さわらび)の依頼を受け、映画「釣りキチ三平」の公開(3月20日)に合わせ商品開発した「リンゴの唄」。増田の完熟りんごのみを使用して作ったジュースを、増田出身の漫画家、矢口隆雄氏書き下ろしの「釣りキチ三平」化粧箱に詰めた数量限定の季節商品だ。さわらびのほか、首都圏の百貨店でも販売される。
また、コンサルタント業務のほか、同社は自社商品の開発も行い、すでに2商品を首都圏、東北全域のスーパーや百貨店で販売し好評を得ている。「みそキムチ」は、本場韓国の製法を基本にした、酸味の少ない日本人向けの味噌味のキムチ。普通のキムチの約3倍の時間と手間がかかっているのだそうだ。「もっちり米生パスタ」は、小麦ともち米粉を合わせた、もちもち、しこしこ、ぷりぷりといった食感と、インスタントラーメンと同じ3分間の茹で上がりが特長の生パスタで、太麺と細麺の2タイプを揃えている。
「食品業界は、大手の商社が流通を取り仕切っているのが現実ですので、当社は販売先を商社にしています。小さな当社の商品を、商社の大きな流通網に乗せることで、より多くの店舗で販売してもらうことができます。しかし、無理はしません。真心を込めて作った商品をご理解いただけない取引先はお断りしています。商品を守ることが、よりよい商品づくりの維持につながるからです」。(株)シャルマンは、食品流通の荒波の中、魅力的(シャルマンは仏語で「魅力的」)に、風を捉えながら進んでいく。
CORPORATION
DATA
株式会社シャルマン
〒015-0011 由利本荘市石脇字田中73-1-2
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