能代山本地区の商業界は、空前の新規大型小売店の出店計画に脅かされている。出店申請中であった４つの大型小売店の大型小売店舗法（大店法）結審内容がほぼ出そろい、計画面積どおり開店すれば、能代市の小売業に占める大型店の売場面積占有率は、実に７０％を越え、まさに異常事態の発生といえる。
　そんな中、能代市柳町商店街振興組合（能代市柳町167 長岡博理事長　TEL０１８５-５４-６７２０）では、7月26、27日の２日間にわたり、６０年の歴史を誇る日吉神社祭典夜店（柳町夜店）を開催した。歩行者天国となった通りには、秋田県街商協会加盟120店と商店街有志10店の併せて130店の夜店が並び、延べ４万人の人出で賑わった。

　この夜店は、金魚すくい、射的、輪投げといったゲームに、飲食ではお好み焼き、たこ焼、焼き鳥といった、おなじみの店がひしめき合う昔ながらの形態を保っており、地域住民にとっては欠くことのできない年中行事として定着している。ところが平成4年に、暴力団対策のために一度だけ中止に追い込まれている。しかし、地域住民の夜店に対する愛着心はことのほか強く、夜店復活を望む投書や陳情が警察や商店街に相次ぎ、翌５年には復活を果たした経緯がある。

　商店街関係者は「こんなに人が住んでいるのかと思うくらい、たくさんの人が集まる。なかなか商店街の売上には結びつかないが、これが地域の文化なのだし、商店街はそれをしっかりと担っていく責任がある。」と話す。
　柳町商店街では、９月中旬に八幡神社の祭典、１2月には能代凧（べらぼう凧）の製作教室といった恒例のイベントも予定されている。