JR秋田駅前にある秋田市民市場は、かつては200余りの店舗が入居する県内最大の市民市場であった。しかし、周辺地区と秋田市郊外に大型小売店が相次いで出店したため、来場者数が年々減少。これに加えて、経営者の高齢化や後継者難などを理由に転・廃業する店舗が増え、今ではおよそ150店舗にまで減少している。
 そんな中にあって、「おみやげ本舗」を開店させ、積極的な経営を展開しているのが(有)原田商店(秋田市中通4丁目7-35 代表 原田 誠氏 TEL 0188(33)1631)だ。当店は市民市場で食品と雑貨の小売・卸売業を営んできた。3年前に2代目として店を継いだ原田氏は、新しい業態の店を構え活気のある店を作り上げたいと考えてきたが、それを秋田県の特産品を専門に販売する店、おみやげ本舗により実現させた。

 10月24日にオープンした4坪の店舗には、「山の幸、海の幸、キリタンポ、稲庭うどん」の販売を中心に、基本コンセプトは「本物の秋田の味を売る」、「バッケの佃煮」や「秋田ふきのお茶」など、県内人にもまだまだ知られていない秋田の個性的な土産品を揃えている。
 原田氏は開店に当り、もう一度商売の基本を身につけ、充実した店舗経営をしたいと考え、当情報センターの小売商業支援センターが行っている「活性化相談」を申し込んだ。活性化相談とは、支援センターが経営上の課題を抱える小売店に相談員を派遣し、無料で店舗経営にかかわる相談に応じるというもの。この10月からスタートした新たな事業である。
 早速支援センターは専門相談員の佐藤雅春氏((株)ARC常務取締役 秋田市)を派遣し、相談に当ってもらった。その指導概要は下記の通り。

  1. 明確な経営方針と経営計画の必要性。
  2. 楽しい店にする為のアイディア。
  3. 商品選定と価格設定について。
  4. 棚割りと棚在庫、適正商品量について。
  5. 家族従業員の接客マナーについて。
 指導を受けた原田氏は、「商売の陳列方法や照明の仕方など、具体的に指導してもらえた。漠然としていた目標を具体的な数値に落とす方法などは、非常に参考になった。何よりも無料で行ってくれるのがありがたい」とのことであった。また、指導に当った佐藤氏は、「小規模ながらも、沈滞気味な市場のムードを刷新できそうな業態として期待が持てると思う。継続指導により更なるレベルアップを図って行きたい」としている。

活性化相談のお申し込みは小売商業支援センターまで。
秋田市山王6-1-13(TEL 0188-63-8401)

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