
このコーナーは、中小企業の景況が低迷する中で、新分野進出、新商品開発、ネットワークの活用などによって、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業を紹介します。
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株式会社ニューウェーブ |
株式会社トーヨー |
有限会社四季菜 |
顧客の真のニーズを開拓
ユーズドパソコン取扱が好評
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株式会社ニューウェーブ
横手市横手町字一の口50-5
TEL0182-33-5134
代表取締役 渡部 澄生 |
家電・OAの専門店として商売を続け、満20年を迎えた当社だが、現在に至るまでは常に販売価格競争にさらされ、ユーザーに喜んで商品を活用していただくため提供すべき「サービス」、「情報」といったものを中々前面に打ち出すことができなかったという。
本来、家電・OA機器というものは使う目的に合わせた商品を購入すべきで、特にOA機器に関してはコンサルティングが必要である。にも係らずこうした価格のみによる販売を余儀なくされた渡部さんは「むなしい、つまらない」と切実に感じ、これまでの事業の全てを一度リセットし「今自分が本当にやりたいこと、出来ること」は何かを真剣に考え、導き出したのが「ユーズドパソコンの取扱開始」であった。
現在は初心者を中心とした個人ユーザーに加え、財務管理、給与計算等はユーズドでも充分と考える企業からの一括発注も多く、最近はLANを組めないかとの要望も増加してきたとのこと。
仕入ルートを確立しているため、店内には常時デスク15台、ノート20台程度の在庫が確保されているが、販売はすこぶる順調。現在月平均、約100台程度販売している。電話、FAXでの注文もOKで、県南地域のほか、秋田市、本荘市までの出張取付・取扱説明サービスも行っている。新品以上にアフターにも気を遣っているとのことで、取扱開始後1年を経過したが、クレームは全くない状況。環境に優しいという時流にも適合し、今後一層の伸長が期待される。

食品製造業者にアイデアを提案
省力化・効率化製品を次々と開発
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株式会社トーヨー
秋田市外旭川字三後田76-4
TEL018-868-5673
代表取締役 鎌田 均 |
大手機械メーカーでは手を出さないような県内企業の小口ニーズに対応し、独自のアイデアによる「すき間産業」にチャレンジしているのは、秋田市に本社のある(株)トーヨー。当社は、梱包機械及び包装資材の販売が本業。社長の鎌田さんが、もともと機械いじりが好きだったこともあり、「こんな機械や装置ができないか」といった取引先企業の要望を受け、平成6年より製造機械の製作に取り組むようになった。以来、当社では、きりたんぽ串刺し装置、稲庭うどん麺プレス機、じゅんさい瓶・袋詰め用定量充填機、比内地鶏スープ定量充填機など地元秋田を代表する伝統食品の製造に関する機械開発に多く取り組んできており、これまでに開発した製品は20種類を超えている。
きりたんぽや稲庭うどんなど地域色の濃い食品は、長い歳月をかけ、地域の人の知恵が生かされ、手作りを大事にして育てられたものであり、その特性を維持しながら、システム化を進める必要がある。その成果の一つが、「自動きりたんぽ焼き装置(平成11年6月実用新案登録済み)」だ。これは、火の周りを回転しながら、串1本ごとの自転も自由にコントロールができ、焼き目も自在に付けることが可能で、炭火焼きもできるのが特徴。現在はきりたんぽ冷却ラインの製品化構想も持ち上がっている。
「今後も多岐にわたる取引業種の情報を活かしながら、地域密着型として地元食品関連企業をサポートしていきたい」と話す鎌田さん。その意欲は一層増している。
 きりたんぽ焼機
秋田発
あたたかい、ふるさとのおいしさ
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有限会社四季菜
秋田市太平八田字和岱58-1
TEL 018-838-2570
代表取締役 高橋 真木夫 |
今年度の第19回県特産品開発コンクールで優良賞を受賞した「はたはた押し寿司」。この商品を製造・販売しているのが、弁当・惣菜などの日常食を提供する地域密着型の企業(有)四季菜である。同社の「男鹿鯛めし」は前回の同コンクールで最優秀賞を受賞している。これは最初、名物となる「駅弁」を創ろうという発想から始まった。しかし、常温保存という条件をクリアするため、商品化にたどり着くまでは試行錯誤をくり返したそうである。特に鯛は熱を加えると黒くなること。これは「水分活性」という方法で解決した。また「はたはた押し寿司」には、冷凍保存に適した農水省東北農業試験場(大曲市)で新しく開発された「スノーパール」をすし飯に使用している。酢に工夫を凝らしており、食してみると素朴な味に仕上がっている。両者ともパッケージには環境に優しい木製材料を使用、文字・色づかいがシンプルなのがまた好印象。
まず、アイデアから。素材を活かす方法を、技術を含め粘り強く研究する。現状で満足していてはいけない、商品は常に進化して行く、が社長の持論。そのためにもリニューアルは欠かせない。商品の全国流通に向けリピーターを大切にする息の長い商品の開発に日夜取り組んでいる。小さな企業のメリットは技術面などで自由に小回りの融通性があること。近く新商品を販売する予定もあり、今後とも秋田の地方色豊かな素材をふんだんに盛り込んだ商品を期待してやまない。

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