このコーナーは、中小企業の景況が低迷する中で、新分野進出、新商品開発、ネットワークの活用などによって、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業を紹介します。

(株)金子製瓦所 八幡平サングリーン(株) (株)長濱


時流に応じた商品戦略
快適な住まいの構築を提案


株式会社金子製瓦所
由利郡仁賀保町両前寺字山田下14
代表取締役 金子 真一

 かわら屋根の住宅が建ち並ぶ仁賀保町両前寺に本社がある(株)金子製瓦所( T E L 0184 - 35 - 2037 )は、大正元年の創立以来、瓦の製造・販売を手がけてきた。大手メーカーの供給過剰による価格破壊などをきっかけに競合が激化し、3年前、自社工場での生産を休止。現在は三州瓦メーカーのOEM生産瓦の、販売・施工を行っている。ここ最近は住宅のデザインの洋風化が進んでおり、フラットな形状の陶器瓦の需要が伸びてきているという。金子さんは「屋根材は、常に自然の厳しい条件にさらされているが、三州陶器瓦は、海岸付近での塩害、大気汚染による酸性雨や耐寒性に関しても優れた性能を有する」と話す。
 当社は昨年からホームエレベータの販売代理店となるなど、経営の多角化にも積極的で、この7月18日には工務店や設備メーカーのショールーム「本荘ハウスメッセ」を開業する。ハウスメッセは、顧客がデパートで買い物を楽しむ感覚で自分の目で住宅設備や建材を選び、同時に施行業者を選ぶことができる販促スペース。また山形県余目市には三州瓦を取り揃える「庄内かわらステーション」を開業する予定だ。
 「地元工務店の営業に役に立てるよう企業努力をしていきたい。また今後も顧客ニーズに合わせていろんな種類の平板瓦を取り扱っていきたい」と話す金子さん。気に入った瓦に合わせて住まいをデザインしてみてはいかがでしょうか。


しぼり大根!の辛さと風味が通年味わえる
「高原しぼり」


八幡平サングリーン株式会社
鹿角市八幡平字小前田67-1
取締役専務 阿部 恭子

 知る人ぞ知る、八幡平特産の通称「しぼり大根」。搾り汁は地元でそばや刺し身などの薬味として、昔から多くの人々の舌をうならせてきた。しかし、収穫期の11月から一時期の冬期間以外は辛みが保たれないため、生産販売が伸び悩んでいた。鹿角市の八幡平サングリーン(株)阿部一衛代表取締役(TEL0186-34-2062)の食品事業部では、平成3年からしぼり大根独特の風味と辛みを保つ研究開発に取り組んできた。県総合食品研究所の助言・指導もあり、急速冷凍することで課題を解決、研究の成果が平成9年10月に開催された「秋田県特産品開発コンクール」において評価され、優良賞を受賞した。商品化の目処がついたことから量産化とコストダウンを目的に平成10年10月、当公社の設備貸与制度を活用し、搾り汁をマイナス30℃程度で冷凍させる凍結庫をはじめ、大根洗浄機、フードスライサー、遠心脱水機、充填機・パックシーラー等の設備の導入に踏みきった。今年3月からは受注に応えるため本格的に稼働し、8g換算で650万個を超える生産目標に向け順調に操業している。一般消費者向け8g8個入りの「高原しぼり」は、ミシン線入りとし1個ずつ切り離して使うことができる商品となっている。


コーヒー豆は生鮮品
新たな流通チャネルを作り上げる


株式会社長濱ナガハマコーヒー事業部
秋田市広面近藤堰越61-2
常務取締役 長濱 浩一

 事業所向けレギュラーコーヒー等を販売するオフィス・コーヒー・サービス(OCS)業界の県内トップの(株)長濱(TEL018-834-8125)は、煎り立てのコーヒーをダイレクトに一般の消費者に届ける「ナガハマコーヒー会員」をこの6月からスタートさせた。当社は、「秋田の朝はナガハマコーヒーから」を合い言葉に、コーヒーを通した豊かな生活環境作りを目指しているが、今回のコーヒー会員は、それを実現するために新たに進めたもの。
 「美味しいコーヒーは、何と言っても煎り立てのコーヒー豆を使う事です。一般にコーヒーは乾物として扱われていますが、当社ではコーヒーは生鮮品として扱っています」「そこで今回当社は、秋田にふさわしい味を追求するため、煎り立てのコーヒー豆を短時間でお客様に提供するシステムを作り上げました」と長濱浩一常務取締役。
 会員には、自分の欲しいコーヒー豆を会員番号と一緒に知らせれば、最短で二日後には宅配(200グラム以上宅配無料)する。また、来店時の値引きや、ポイント加算の特典も設けた。
 現在会員数は1000会員を突破しており、長濱常務も反応の良さに驚いている。同氏は会員拡大に力を入れ、早くOCS事業に次ぐ新たな柱に育てたいとしている。

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