
このコーナーは、中小企業の景況が低迷する中で、新分野進出、新商品開発、ネットワークの活用などによって、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業を紹介します。
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株式会社ウッディさんない |
千畑町商工会工業部会 |
電研産業株式会社 |
自然にやさしい川づくり
丸太を使った土留めを開発
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株式会社ウッディさんない
平鹿郡山内村土渕字小目倉沢34-8
TEL 0182-53-2600
代表取締役 下タ村 基作 |
山内村の木製品加工業(株)ウッディさんないは、間伐材を利用し、道路沿いののり面や河川の護岸用の土留め工法を開発した。同社は村の90%を占める森林資源を活用した地場産業の振興を目的に、平成6年に設立された第3セクター。創業以来、公園や建物の床に使うウッドロックという木レンガの生産を主目的に営業していたが、それだけでは仕事に広がりが出ないため、新たな方向性を模索していた。
そんな中、平成9年に建設省と林野庁が連携した「自然を生かした川づくり」が提唱され、公園や河川護岸などの土木建設資材として、木材が見直されるようになった。そこで同社では従来のコンクリート製品に替わる資材として、間伐材を使った製品の開発に着手。小径の丸太を縦と横に組んだ土留め柵と、斜面に埋め込む控えの基礎丸太をボルトでつなぎ、土砂を押さえる工法を生み出した。県が実施している木材新製品開発支援事業を活用し、試験を繰り返した結果、1段の高さ90センチで階段状に6段まで施行が可能となった。環境問題がクローズアップされるなか、動植物にやさしい多様性のある景観を造成することができる。
既に特許も出願済みで、地元の沢筋の護岸工事で採用されたほか、「積極的な営業活動により、受注も増えている」という。下タ村社長は「木のぬくもりと自然のハーモニーを大切にし、今後も新たなアイディアで豊かな環境空間を提案し続けたい」と話してくれた。

ホームページの作成にチャレンジ
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千畑町商工会
仙北郡千畑町土崎字上野乙170-2
TEL 0187-85-2501
会長 播間 龍之助 |
千畑町商工会の工業部会(部会長 進藤喜清氏:(資)進藤電器製作所 代表社員)では、会員自身の手による自社のホームページの作成に取組んでいる。
当部会は、「経営の適切な改善発達を図る」ことを目的に、昭和56年の商工会法の改正に伴い当商工会内に設置されたもの。現在、商工会の製造業30社が集まり、定例会を通して情報交換や研修会等を進めてきた。
今年度は、「デジタル時代における企業のPR方法を習得しよう」をテーマに、企業パンフレット作成についての学習やパソコンワープロを活用してのパンフレットの作成方法、そして、自社のホームページの作成方法についてこれまで計6回の研修を行なった。パソコン、デジカメ、スキャナー等の機器を操作して自社のホームページを作成することから、会員も楽しみながら取組んでいる。
進藤部会長は、「私自身ホームページの作成のノウハウは全く持ちあわせていませんでしたが、研修を続けているうちに、自社のホームページをつくりあげる事が出来ました。」「インターネット時代に合った非常に良い企画なので、来年度は商工会全体の事業に取り上げてもらい、1社でも多くの会員がホームページを持つようにしたいと考えております」としている。
今回の研修で、7社がホームページを作成した。作成したホームページは、10月24日に町が実施する秋祭りで、町民のみんさんにお披露目する。

環境対策の優先順位は上昇の一途!
生分解性樹脂の緩衝材「エコプラス」
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電研産業株式会社
平鹿郡雄物川町沼館字通し下田96
TEL 0182-22-4225
代表取締役社長 中野 敬史郎 |
今から20年前、県の誘致企業として雄物川町に進出した電研産業(株)は、製品輸送時、箱に詰めて使用されている緩衝材にトウモロコシを原料とする生分解性樹脂(自然界の微生物により容易に分解される樹脂)を使った製品を製造・販売している。
本業の弱電製品を出荷する場合、これまでは石油製品(発泡スチロールなど)を使っていたが、廃棄物問題が常につきまとっていた。しかも、海外へ輸出する製品も多く、「環境保護対応の緩衝材」を使用しないと製品の受取り自体を拒否されることすらあるという。そこで検討されたのが生分解性樹脂の緩衝材だった。リサーチの結果、この製品を製造するメーカーは3社、東北地区には100%生分解性樹脂の製品を製造する工場はなく、環境問題が重視され始めた現在、この緩衝材への潜在的需要はあると判断し、製造を始めたという。
この製品の特徴は、無毒、水に溶ける、焼却しても煙りやダイオキシンが発生しないなど環境適合性が高い。もちろん緩衝材としての性能は石油製品と変わらず、静電気が発生しない、ホコリも出にくいという基本性能も優れている。
ただ、価格が石油製品より高いことや成形が困難だという欠点もある。この技術的な問題を解決できれば急激に普及すると思われ、価格的な問題も収束してゆくと予想される。
環境対策が企業のパフォーマンスに終わるのではなく、社会的な要請として実効あるのもになるためにも期待したい製品である。
 エコプラスと原料
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