このコーナーは、中小企業の景況が低迷する中で、新分野進出、新商品開発、ネットワークの活用などによって、積極的な経営展開を図り市場から評価を得ている企業を紹介します。

有限会社アキタネット 湯沢電子工業株式会社 有限会社小松煙火工業


地域密着の情報サイト
購入額に応じてキャッシュバック


有限会社アキタネット
秋田市川尻大川町4―7
TEL 018-863-8637
代表取締役 大久保 利彦

 (有)アキタネットは広告企画会社とコンピューター販売・ソフト会社の相互が良い面でジョイントし、インターネット利用者の目的別ニーズにあった情報を提供、ビジネスにしようと今年7月に設立。インターネットによる生活レベルの地域情報提供を行う。先月からは第1弾となった中古車情報のサービスを開始した。検索メニューからはメーカー、タイプ、年式、排気量、色、価格などの条件から絞り込みができる。また、オプションの装備なども実際に販売店に訪問した場合と同じ情報を入手できるため、目当ての中古車の事前チェックが可能。リアルタイムで更新されるため最新情報が入手できる。契約については購入者が販売店で現認してから契約する通常の形式をとっている。成約になった場合に販売店から同社が受け取る情報提供料の半額を購入者にキャッシュバックするのが、ユーザーサイドから見ればこのサイトのおもしろいところ。同社は、このシステム自体を「ビジネスモデル特許」の出願申請を行った。県自動車販売店協会(19社が加盟)のディーラー11社と提携、約1,000台の登録でスタートしたが、最終的には19社全社、約2,500台を対象とする。来年1月からは不動産情報の提供も予定。その後は求人、ブライダル、カルチャースクールなど順次提供していく計画である。
 URL http://www.akitanet.co.jp


仕事は時間との闘い
キーワードは「満足感」


湯沢電子工業株式会社
湯沢市字中野257
TEL 0183-73-5197
取締役社長 小原 剛

 「これを見てください」と小原社長から見せられた弱電基板には、半導体チップが整然と並んでいる。「その脇をよーく見てください」といわれて回路の線の様に見えたのは、細かい電子部品の列であった。この部品のサイズは、1.0ミリ×0.5ミリ、米粒の半分以下の大きさだ。まるで東京ドームの脇に軽自動車を並べているようだ。この様な精密加工技術で県内電子業界をリードするのが湯沢電子工業(株)
 当社は、高度経済成長の真っ只中の昭和48年3月にTV用基板の組立て工場として操業を開始。現在はパソコン用機器を生産している。その間、大手メーカーの海外展開が進み、経営者として難しい判断を迫られたが、「大手と中小ではおのずと担うべき役割が違うはず」と促え、機械化と徹底的な多品種少量生産体制の整備に力を注いできた。
 「とにかく時間との闘いです」。引合いが来てから試作、立上げまで、いかに素早く対応できるかが第一段階の勝負。第二段階は、コストと技術力の勝負。これらが取引先に「満足感」を与え、継続的な取引につながる。そして第三段階は、「従業員へ満足感」を与えられるかどうか。これが企業として団結力を左右する。
 機械化を進めながらも「その運用や最終確認、営業そして製品開発とは人間の行う事業である」という原点を厳しく見据えながら、次のステップを模索するアクティブな企業である。


「伝統」と「新しい発想」の融合により
業界の活性化を目指す


有限会社小松煙火工業
大曲市内小友字宮林6
TEL 0187-68-2625
専務取締役 小松 忠信

 毎年8月に開催される日本一の「大曲の花火」は伝統と格式を誇り、全国からの花火師達が技術の粋を尽くす。精鋭達が集う中、毎年入賞を果たし盤石な地位を築いているのが(有)小松煙火工業。当社は明治18年創業、現社長の忠二氏は4代目、専務の忠信氏で5代目となる。
 現在、花火業者は全国に約180社、県内には10社(うち大曲・仙北圏内に5社)があり、中でも当社の技術力は国内トップとの評価を受けている。しかし当社はそれに甘んじることは無い。「技」、「経験則」重視、各社ごとの守秘事項が多いなどの業界事情に危機感を持ち、積極的な情報公開、流通チャネルの確立、マスコミを活用したPR等に努めている。「自社の企業秘密が漏洩する危険もありますが、これで業界全体が活性化して欲しいと考えています」とスタンスは明確である。
 こうした取組みにより、当社には若い人材が多く参集。男性社員は「下は28歳から年長の工場長でも56歳」という若い集団に生まれ変わり、後継者不足の問題は当社にとって無縁となり自社の活性化もはかられた。
 今後も作る側としての「伝統の手法」は堅持しながら、音楽と花火を融合させるなどの若い感覚・新しい発想で「時代に合った斬新な上げ方」を模索していく方針。今後一層の飛躍が期待される。

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