'96中小企業テクノフェア、
東京ビッグサイトで開催

〜延べ1000社強の企業が出展し、
新製品や新技術を積極的に売り込み〜

 中小企業関連の専門展示会である『'96中小企業テクノフェア』と『中小企業ビジネス・メッセ'96』が、去る9月25日〜27日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。

 25日の開会式では、テクノフェア実行委員長や中小企業融合化促進財団会長など主催者の外、石黒中小企業庁長官や青島都知事などの来賓からのあいさつもあり、テープカットにより華々しくオープンした。


 テクノフェアのテーマは「眺める未来・広がる創造」。下請中小企業の優秀な新製品や加工技術などを一堂に展示して幅広く紹介している。140社・8グループ出展の関東ブロックを中心に、北海道・東北、中部、近畿、中国、四国の6ブロックから合計368社・63グループが出展。今回は自社製品を積極的に開発している企業の出展が増加しており、新規取引先開拓への意気込みが例年になく強く感じられた。各都道府県コーナーや商談コーナーが設けられ、中小企業の新たな販路開拓、受注機会の確保などをサポートしていた。
 出展企業の各ブースでは、自社製品や技術などの説明やパンフレットの配布など、積極的な売り込みがなされていた。



 ここ5年間出展を続けている山崎ダイカスト鰍ナは「去年までの晴海とは違い、今年のビッグサイトは広々としてスペースも充分。テクノフェアは、技術畑の方に直に自社製品の説明ができる数少ない機会。また、日頃つきあいのない異業種の方との情報交換もでき、取引先の拡大にも有効な場でもある」と評価している。
 初出展となった秋田木工鰍ナは「振興公社の紹介でテクノフェアを知った。木工関係の当社が出展しても・・・という迷いもあったが、実際は業種の垣根は一切ない。今回は、来るべき高齢化社会に向けて開発した手すりなどを中心に紹介させてもらった。まずは製品を知ってもらうことで、ビジネスチャンスにつなげたい」と語っていた。
 一方、昨年に続いて2回目の開催となった「ビジネス・メッセ」は、中小企業の異業種交流や融合化活動、創造的経営などによって開発された新製品や新技術、新サービスなどを、全国の69社・8グループが出展した。中でも中小企業創造法認定企業や融合化グループの出展が多く、創造的事業活動の重要性をアピールしていた。
 わが国経済は緩やかな回復基調にあるものの、中小企業の景況は足踏み状態にあり、依然として厳しい環境下にある。こうした中、両展で延べ1000社強の中小企業が自慢の新製品・新技術などを展示したニュースは、業績低迷にあえぐ幾多の中小企業を元気づける要因になるとも言えよう。

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