公的制度を活用し商店街を活性化

花輪新町商店街振興組合(鹿角市)

 
記念イベント、成功裡に終了

 鹿角市の花輪新町商店街振興組合(理事長:駒木 利男氏 組合員数:34 住所:鹿角市花輪字下花輪168番地2)は、去る2月22日に冬季鹿角国体の歓迎イベントを開催、併せて商店街のアーケード完成を祝った。当日は折りからの猛吹雪にもかかわらず多数の市民が集まり、「あきたこまちのつかみ取り大会」、「歌とお笑いのステージショー」等の各種イベントに興じた。同商店街にとっては初めてのイベント事業であったが、予想以上の盛り上がりを見せたことから、今後の商店街活性化に向け確かな手応えをつかんだ。

近代化事業の歩み

 同商店街の振興組合設立は、平成元年4月にさかのぼる。尾去沢鉱山があった当時は、新町商店街も相応の賑わいを見せていたが同鉱山の閉鎖に伴い消費者人口が減少し、空き店舗が発生するなど商店街自体の形成が難しい状況となっていた。同商店街が生き残り策を模索する中で、隣接する花輪大町商店街の近代化事業が昭和58年にスタートした。大町商店街は街路拡幅事業にあわせて商店街改造に取り組み、地域を代表する商店街に生まれ変わった。
 新町商店街は、大町商店街の成功に刺激を受け、同様の手法で事業を進めるために振興組合を設立 した。行政サイドも同商店街の積極的な動きを受け都市計画街路拡幅事業の認可を決定、平成2年度から街路の拡幅事業がスタートした。
 そして街路拡幅事業と並行して商店街の環境整備と個別店舗の更新を行うため、秋田県商工労働部商政課から商店街近代化事業(国の中小企業高度化施策)について指導を受け、平成3年度から近代化事業に着手した。
 当初の計画ではアーケードの設置を予定していなかったが先進地の商店街を視察したり、鹿角地域の気象条件等を考慮した結果、アーケードの設置と歩道のカラー化を組み込んだ事業内容とし、消費者が回遊しやすい環境作りを目指した。また既存の商店だけでは業種構成が限られ集客力に欠けることから、核店舗として同友(業種:食料品スーパー)を誘致し、業種構成の多様化を図った。
 これらの色々な工夫を凝らして生まれ変わった新町商店街は、多数の市民からの応募により「キララしんまち」と命名された。このネーミングが示すとおり、アーケードは夜になると12の星座が光り輝く仕掛けになっており、道行く消費者の目を楽しませている。また、カラー歩道は昔の遊びのケンケンパと十和田、八幡平・ストーンサークルを模したデザインで作られており、消費者が楽しみながら歩けるような工夫も施されている。


新町商店街

ソフト事業にも傾注

 同商店街では、これらのハード事業とあわせてソフト事業も積極的に推し進めてきた。最近では商店街活性化ソフト事業の切り札的存在となった「カード事業」。これを一商店街で実施するには、業種構成、イベントの魅力等に限界があるため、近隣の大町商店街、谷地田商店街とスクラムを組み「ハミングカード協同組合」を設立、昨年の11月から事業を開始した。キララハミングカードは、様々な商店で利用できることから消費者の反応も良く、こちらも上々の滑り出しを見せている。
 この様にハード、ソフト事業両面で次々と活性化策を実行に移し、大型店対策は万全に見える同商店街であるが、専務理事を務める切田氏は、「これからが本当の勝負です。大型店は、販促に関して我々にないノウハウをたくさん持っています。この点を大いに勉強して消費者の方に喜ばれるイベントや販促事業をどんどんやって行きたいです」と、ハード事業の完了に満足することなく、更なるレベルアップを目指している。 

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