畠山氏はこうした当社の現状を踏まえながら、現状の1.情報化レベルと2.今回行う改善案、そして、3.情報化の将来展望について下表のようにまとめている。
 また、同氏は「今後は、自社で情報システムを構築していく事が必要」とし、その重要性を次のように説いている。「製造業のソフトで陥る障害としては、『取引先や仕事の内容が変わると、それに併せてプログラムの修正が必要になる』『適切に対応していないとシステムが足を引っ張りうまく行かない』などが挙げられるので、特に注意が必要である。また、使い慣れてくると、いろいろな部門から開発要請が出てくるので、こうした要請に対応していくためにも自社開発が必要である」。

現在今回の改善案将来の展望



・台帳管理のため、得意先別や納期別にそれぞれ手書きしている。

・受注残調査に何ページもめくる。

・必要帳票類をすぐに探し出せない。

・受注データのデータ・ベース化。(Accessにて)

・キーデータの設定。(手配No)

・クエリーにて得意先別・納期別等各種抽出リストの作成。

・オンライン受注体制の確立。

・全社統合生産管理の構築。

・前日までの売上高が翌日わかるように納品処理担当者を教育する。




・桐で行っているがシステム化されていないため、発注書の作成は手作業となっている。

・発注データがコンピュータ化されていないため、検収・未検収を把握するのに困難をきたしている。

・パソコンの台数と容量が不足しているため、本格的に業務に使えない。

・発注データは膨大な部品点数になることからシステム化のメリットは大きく、データ・ベース化した。

・構成マスターの作成。

・部品マスターの作成。

・二次処理マスターの作成。

・発注処理、検収業務プログラムの作成。

・発注帳票類の作成。

・工場も一外注として管理することによって、進捗管理や工数管理、納期管理が行える。

・今回は見送ったが、システムに工場を組み込むことによって実現可能なプログラムになる。

・まとめ買いしている部品があり、在庫管理の開発が急がれる。




・手作業の集計。

・リピート品の継続集計がされていない。

・集計の目的がはっきりしていない。

・製造個数が集計されていないので原価把握には使えない。

・材料、外注費(変動費)は管理部門が違うため、製造原価をタイムリーに算出できない。

・資材管理を構築することにより材料購入費・外注費が直ちに把握でき、原価管理に一歩近づく。

・最終的には工場の工数管理及び在庫管理が確立される必要がある。

・現場実績をタイムリーに集計・入力できるシステムにする。

・精度の高いデータが集計できるよう従業員を教育する。

開発ソフト
 同社では、一日も早いコンピュータ化を望んでいることから、畠山氏指導のもとで早速システム開発に着手した。システム開発に使用したソフトは、今最も普及しているマイクロソフト社の市販RDB(リレーショナル・データ・ベース)ソフト「Access」である。
対象業務
 手書きではあるがデータは揃っていることと、企業の基本は「受注すること」「納品(売上)すること」その間に「作ること」であるから、「受注・納品処理」の開発から始めることにし、次に「発注業務」を開発することにした。また、受注・納品処理は日時処理とし、現在の受注残の状況や当月の売上状況が随時把握できるようにした。今回開発した受注・納品・外注手配までを管理する生産管理システムのシステムフローの概要は別紙の通りである。

システムフロー図
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