2.経営上特に重視すること |
表4 増減ベストランキング
表3“回答数ベストランキング”では、今までも、今後も第1位は「品質」である。しかし表4“増減ベストランキング”の減少の第1もまた「品質」で22ポイントのマイナスとなっている。消費者のニーズを掴まずに、作り手の論理で作られた高品質商品が売れにくくなっている現在の時流の中で、消費者のニーズを掴みきれているメーカーは今後も品質を重視し、掴めない企業は品質は今後特に重視しないと答えたためだと思われる。これはかつてのビデオデッキの品質競争の行き着いた先と同じ動きをしていると考えられる。ビデオデッキの品質競争は高品質の名の下に、次々と新機能が開発・付加され、必要以上の高品質・高機能が消費者には次第に使いにくさへと変わっていった。その後の大ヒット商品は「簡単ビデオ」であった。食品業界においても、参考にすべき事例である。また今までは、安売りブーム全盛の環境下でメーカーは主力商品を中心に大量生産を行っていたために生産能力、価格競争力が上位に位置していた。安売りブームの終焉とともに生産能力、価格競争力が上位からはずれ、新製品開発が2位にランクアップしている。 もう一つの特徴は、表4で「販売地域の拡大」、「顧客開拓」、「営業力」が大幅にランクアップした点である。大店法緩和以降、小売業の新規開店が相次ぎ、既存店の売上ダウンは続く状況を反映しており、メーカーにとっても新規顧客開拓のための営業力アップが緊急課題であることの現れであると思われる。 |