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東由利「黄桜の里」 |
国道107号線は、太平洋側と日本海側を結ぶ交通の要衝であり、「道の駅・東由利」は、秋田市から車で約90分、本荘市と横手市のほぼ中間に位置している。東由利町は、八塩いこいの森に咲く黄色の桜にちなんで「黄桜の里」と呼ばれている。

この道の駅は平成8年4月のオープンで、前年に開設した温泉保養施設・黄桜温泉「湯楽里(ゆらり)」では、誕生3周年祭を11月に予定、25組・100名のご招待プランを計画している。
管理運営は、(株)黄桜の里(第3セクター)が行っているが、町や農協などのほか町民・町出身者70名の出資者がおり、町の活性化に対する地元民の並々ならぬ熱意が感じられる。
堂々たる和風造りの温泉施設は、豪華そのものでゆったりとした気分にひたれる。また、110畳の大広間を始めとして、大小の個室を完備しており、宴会や各種会合にはもってこいの内容になっている、お食事処「やしお」では、自然乾燥米の“あきたこまち”や由利牛を使用したメニューのほか、特産のフランス鴨を用いた郷土料理が好評である。このフランス鴨は、地元の東由利町フランス鴨生産組合で飼育されており、鴨料理の本場フランスで絶賛されているバルバリーという品種で、鴨特有の臭みやクセが一切なく、まろやかでコクのある柔らかい肉質を活かした“しゃぶしゃぶ”や“刺身”が楽しめる。生肉からスモークやウィンナーなどの加工品の販売も行っており、お土産や贈答品として売れ筋1番とのこと。
昨年7月には、ふれあいプラザ「ぷれっそ」というショッピングセンターがオープン。町民の生活利便機能(ショッピング)と地場産品の展示、情報発信機能をドッキングした新しい施設である。関係者によると「当初、町民をターゲットに考えていたが、ふたを開けてみると107号線を通る観光バス客などの利用が多く、お土産品を増やすなど商品の入れ替え行っている。とくに夏の時期は、岩手方面からの海水浴客の行き帰りで道路が数珠つなぎになるほどの混雑で、入浴後は温泉に砂が溜まるといったありがたくないことも」とうれしい誤算のようだ。

この道の駅は東由利の中心となり、ドライブの目的地として年間を通じて人が集まるようになっている。総務課係長の伊東晴美さんは「これからの課題は、それぞれの施設での単独イベントが多いので、全体構想のなかで共催イベントや情報発信を行うなど“黄桜の里”としてPRしていくこと」と意欲をみせている。
また、町内には宿泊施設が少ないので、観光客の利便を図るためにも一考の余地があると思われるのだが…。
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