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かみこあに 「秋田杉とコアニチドリの里」 |
国道285号線の改良整備に伴い「道の駅・かみこあに」は、秋田市を始め男鹿・南秋田と北秋田の各町村、十和田八幡平などを結ぶ最短ルートの要衝に位置している。上小阿仁村は、全体面積の94%を山林が占める天然秋田杉のふるさとであり、コアニチドリは大正8年に村内で発見され、牧野富太郎博士によって命名されたたラン科の山野草のことである。

この道の駅は、平成9年4月のオープンで、平成2年に開設された「物産センター」と昨年に完成した「秋田杉の館」を主な施設としており、管理運営は、かみこあに観光物産(株)(第3セクター)が行っている。
物産センターでは、郷土銘菓「山吹まんじゅう」を始め、地域のにおいがするお菓子や民芸品を置いている。施設利用者は、圧倒的に町外の観光客で、お土産の種類・量とも十分に揃っており、好評を得ている。関東などの遠来のお客の中には、大量にお土産を購入して宅配便を利用する人が多いという。センターでは、宅配会社と契約を結び、通常より安い料金で利用できるよう、お客の利便を図っている。
支配人の田中義明さんは「開設当初、4年ほど赤字経営を強いられる覚悟をしていたが、予想を上回る売れ行きとなり、最初から黒字経営となった。3セク経営の見本となるようにこれからもがんばっていきたい」と嬉しさを隠し切れない様子。時間の許す限り店内に出て、商品のチェックを欠かさない姿勢に並々ならぬ意気込みが感じられた。
隣接する秋田杉の館は、地元から4業者が出店している飲食館である。軽食から郷土料理まで味わえるグルメハウスとして評判である。建物には、樹齢300年を誇る天然秋田杉を始めとした杉丸太がふんだんに使用されており、圧倒される。

来年4月には、隣接地に文化ホール、図書館、資料館などの入った生涯学習センターが完成し、道の駅と向いの町役場との相乗効果により村の中心としてのウェイトがますます高くなる。
田中さんは「この道の駅は、集客の核としての機能を十分に果たしている。この賑わいを活かした商売のあり方をぜひ考えてほしい」と町の商業者に期待をよせている。
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